チベット大蔵経とチベット蔵外文献研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11164233
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 御牧 克己 京都大学, 文学研究科, 教授 (20109060)
• Keywords: チベット / 大蔵経 / 蔵外文献 / 仏教 / ボン教 / 宗義文献 / カンギュル / テンギュル

Research Abstract

本研究は、チベット学における古典学の再構築を目指し、チベット大蔵経とチベット蔵外文献との各々について、以下の二点より研究を遂行することを目的とする。--
1.従来明らかになっている主要文献の整理。(即ち、目録、解題、批判的校訂本、翻訳、データベースの作成)。2.未入手文献の入手。--
この目的に沿って平成11年度に得られた成果は以下の如くである。
1.従来明らかになっている主要文献の整理。--チベット外蔵文献については、特に研究代表者御牧の分野研究の一つである宗義文献研究について、平成11年度は初期宗義文献(前期仏教伝播期の8、9世紀の敦煌文書を中心とする)を集中的に扱って整理をほぼ終え、中期宗義文献(11世紀のRon zom Chos kyi bzan poのもの他)に着手を開始した。研究代表者御牧のもう一つの分野研究であるボン教研究については、14世紀のボン教教義文献『ボン門明示』(Bon sgo gsal byed)の批判的校訂本と翻訳を作成しつつ、特にボン教の世界観と仏教の世界観を比較してその影響関係を明らかにした。
2.未入手文献の入手。--チベット大蔵経の版本、写本の内先ず従来設置が遅れていたプダク(Phu brag)カンギュル(マイクロフィッシュの形で出版)を購入した。また部分的にではあるが、オーストリア学士院とイタリア学士院の共同事業によって入手されたスピティのタボ寺の写本のコピーを入手した。
平成11年度はフランス、パリへ海外出張しCNRSのチベット人Samten G.Karmay教授とボン教文献について共同研究を行うことが出来、有益であった。

Research Products

• [Publications] MIMAKI, Katsumi: "A Preliminary Comparison of Bonpo and Buddhist Cosmology"Proceedings of the International Symposium on Bon Studies. 1-26 (2000)
• [Publications] MIMAKI, Katsumi: "Jnanasarasamuccaya KK°20-28, Mise au point with a Sanskrit Manuscript"Felicitation Volume for Professor G. M. Nagao. 235-245 (2000)