2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11164238
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内山 勝利 京都大学, 文学研究科, 教授 (80098102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納富 信留 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (50294848)
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Keywords | 古代ギリシア / オリエント世界 / 初期ギリシア哲学 / プラトン / ガレノス / ソフィスト |
Research Abstract |
特定領域研究「古典学の再構築」全体の中では古代ギリシア・ローマの世界像の解明を課題とするわれわれ両者は、「計画研究」としては、特に古代ギリシア世界に展開された哲学を中心とする思想的諸相を新たな観点から見直し、その実相を明らかにすることに努めてきた。古代ギリシア思想を支えている「論理」の質を再検討するとともに、とりわけオリエント諸世界との相互連関、すなわちギリシア思想におけるオリエント的な要因の介在、その影響の実質の吟味に従来の研究とは異なるアプローチを試みてきた。 内山はプラトン・アリストテレスの思想の再検討を行うとともに、初期ギリシア哲学の成立過程および古代後期における(ヒッポクラテス-)ガレノスを中心とする医学思想の解明に重点を置いてきた。また、特に本年度は古代ギリシア思想全体を通じての基本特質の把握と取りまとめに努めた。論文「古典の挑発力」、「自然という文化・文化という自然」(近刊予定)は、それに関連している。プラトン関連では論文「問うことの力」、スレザーク著『プラトンを読むために』の邦訳(巻末に論考)のほか、「対話篇」構造についての一連の論文執筆(著書を予定)、クセンポンおよびガレノスの原典の邦訳も進行中である。 また納富は、重点をギリシア思想内在的な立場からの特質解明に置き、内山と相補的な課題の遂行に努めた。著書『プラトン』および論文「プラトンと歴史への眼差し」は、ともにプラトン哲学を大きな歴史的文脈の中で巨視的に捉えなおそうとする立場からの成果である。現在、初期ギリシア哲学およびプラトンに関する複数の論文を取りまとめ中で、今秋の刊行を予定している。
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[Publications] 内山勝利: "古典の挑発力-「西洋古典学」から「ギリシア・ローマ学」へ-"西洋古典学研究. LI. 107-114 (2003)
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[Publications] 内山勝利: "問うことの力-知のありかをめぐる断章-"京都大学文学部編:知のたのしみ学のよろこび. 3-11 (2003)
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[Publications] 内山勝利: "『プラトンを読むために』への「あとがき」"T.A.スレザーク『プラトンを読むために』. 215-228 (2002)
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[Publications] 納富 信留: "プラトンと歴史への目差し-『カルミデス』の三つの時-"創文. 446. 1-5 (2002)
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[Publications] 納富 信留: "How Xenophanes Speaks : A New Approach to Fr.34"Greek Philosophy and Epistemology. 1. 131-140 (2001)
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[Publications] 納富 信留: "アルファベットと西洋文明の成立"今西裕一郎編『文字をよむ』. 26-50 (2002)
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[Publications] 内山勝利: "哲学の初源へ-ギリシア思想論集-"世界思想社. 275 (2002)