2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11164243
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木田 章義 京都大学, 文学研究科, 教授 (30131486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 徹 南山大学, 人文学部, 教授 (40165949)
鈴木 広光 九州大学, 人文科学研究院, 講師 (70226546)
李 長波 京都大学, 人間・環境学研究科, 助手 (60293932)
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Keywords | 五山文化 / 五山版 / バレト写本 / OLYVEYRA / GANDAVO / 俗語 / 文筌 |
Research Abstract |
禅宗を中心とした中国文化の受容については、禅宗文献の日本における注釈の歴史の検討を継続している。これらの禅宗文献の受容は、禅宗における頌などの作成に直接関係するだけでなく、聯句・和漢聯句・漢和聯句などの日本の文芸にも大きな影響を与えているが、さらに連歌にも何らかの影響があるのではないかという点にも注目している。 一方、中国の版本がどのように日本で受容されてきたかを、日本・中国の残存版本を中心に文献学的研究を行っている。この調査は、中国では元版・明版が中心となり、日本では五山版が中心となる。韓国の版本の調査も並行的に行っている。現在の段階では、まだ所蔵者、元となった中国版本の追跡というような、基礎的な研究にとどまっているが、次年度には、内容も検討してゆく予定である。 中世日本におけるキリスト教の受容については、「バレト写本」(1591年)の分析を継続している。元となった聖書についても、追求を続けている。 東アジアにおけるキリシタン資料については、その時代の資料の分析には当時のポルトガル語の発音や文法、そして正書法などを知る必要があるため、丸山徹は、OLYVEYRAやGANDAVOの正書法辞書を、世界で初めて索引付きで出版し、海外の研究者からも絶賛された。その他、面倒な基礎資料の整備を行っている。 翻訳に用いられた日本語の文体の研究については、夢窓疎石『夢中問答』、抜隊和尚『塩山和泥合水集』に現れる、中国語の俗語と見られる語の調査を行っている。中国語の俗語であるかどうかの判定が正確にできるように、中国の資料の調査を念入りに行っている。また、日本の近世の文体形成に、中国の文章作法書がどのように影響しているのかという調査も、「文筌」を中心に調査しつつある
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