1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11164266
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 研 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (00187238)
|
Keywords | 福音書 / イエス / 新約聖書 / 新約外典 / 使徒教父文書 / トマス福音書 / 伝承 / 共観表 |
Research Abstract |
(1)共観福音書の新訳の改訂作業が8割程度終了した。またヨハネ福音書の新訳も9割が完成。 (2)最も重要なツールづくりに着手。まず、標準的ギリシャ語共観福音書であるK.Aland,Synopsis Quattuor Evnageliorumの共通語彩色作業を行なった。具体的には、それぞれの単元において、三福音書に完全に共通な語はその全体をブルーに、マタイとマルコに共通なものはグリーン、ルカとマルコに共通なものはレッドに、マタイとルカに共通なものはピンクに塗りつぶした。また完全に同じでなくとも、語根が同じか、あるいは活用形のみ異なっている場合は、上記色彩原則により色分け下線を施した。これによって、マタイとルカがどのようにマルコを受容したか、一目瞭然となるツールができあがった。 (3)この成果をコンピュータに入力する作業を始めた。まず、Microsoft Word 2000を使用して、先のK.Aland,Synopsisにならったギリシャ語共観表を画面上に作成、そこに色分けしたテキストの成果を移し替え始めた。この作業はしかし、2000年3月1日現在で7割方終了程度である。2000年5-6月頃には完了する見通しである。時間がかかっている理由は、すべてをマクロ機能で行なうわけに行かず、手作業でなさねばならないことである。しかし作業は順調に進んでいる。 (4)最近のイエス伝承研究の趨勢を各種文献で探ったが、新約聖書をこえる領域(使徒教父文書、新約外典とりわけトマス福音書)の積極的考慮が目立った。
|