1999 Fiscal Year Annual Research Report
「大航海時代の語学書」としてのキリシタン文献-インド・コンカニ語諸文献との対比を中心にして-
Project/Area Number |
11164271
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
丸山 徹 南山大学, 文学部, 教授 (40165949)
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Keywords | 大航海時代 / キリシタン文献 / コンカニ語 / イエズス会 / ゴア(インド) |
Research Abstract |
「キリシタン文献」には少なくとも三つの角度から光を当ててみる必要がある。 1.(16・17世紀の)ラテン語・ポルトガル語語学書成立の背景 2.同時代のアフリカ・ブラジル・インド、そして日本における(ポルトガル語で書かれた)現地語文法書・辞書成立の背景 3.中世日本語の姿 本研究は、主として上記2の観点からの考察で、本年度はこれまでに下記のような成果を得た。 1.コンカニ語キリスト教要理 Doutrina Christam em lingoa Bramana Canarim(1622)前文の計算機への入力を終え、語形による検索が可能な形をほぼ整える。 2.ポルトガル語エヴォラ公立図書館における第一次文献調査(平成11年8月)の中で、コンカニ語・ポルトガル語語彙集写本(1626)のタイプ版(19世紀のものか)を入手する。 3.同語彙集原本(写本)のゼロックスコピーをミネソタ大学(Ames Library of South Asia)より入手、上記タイプ版と対照させながら、同語彙集写本の計算機入力を開始する。(来年度中に約14000の全語彙及びポルトガル語訳を含む同語彙集データベース作成を目差して作業中。それが来年度中に間に合わないとしても、すでに複製が出版されている同時代のコンカニ語・ポルトガル語語彙集との関係などはできるだけ明らかにしていきたいと考える。)
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