2000 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能電子エネルギー損失分光法によるBNチューブの電子構造の研究
Project/Area Number |
11165204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺内 正己 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (30192652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 健治 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (00241274)
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Keywords | 電子エネルギー損失分光 / BNチューブ / BNコーン / 電子構造 |
Research Abstract |
1.昨年度、新たに見出したBNコーンの先端部分と底の部分から高分解能EELS測定に成功し、バルクのBNよりもコーンの底の部分ではバンドギャップエネルギーが小さくなっているが、先端部ではさらに小さくなっていることが実験的に明らかにした。この現象は、これまでのBNナノチューブの実験結果"径の小さなBNナノチューブほどバンドギャップエネルギーが小さい"と同じであると解釈できることがわかった。 2.1.のBNコーンとBNナノチューブのバンドギャップエネルギーに関する特徴は"BNシートでは、バンドギャップはブリルアンゾーン境界にあり、そこでは価電子帯はN原子の電子軌道のみからできており伝導帯はB原子の電子軌道からのみできている"というBNシート特有の電子状態の結果として解釈できることが明らかになり、カーボンシートからできているカーボンナノチューブやカーボンコーンには期待できないことが明らかになった。 3.BNシートの端が露出しているBNコーンの底部分では、伝導帯に特徴的な状態密度分布が存在することが実験的に明らかになった。DV-Xα法を用いたBNシートの電子状態計算から、特徴的な状態密度が、BNシート端に局在するエッジ状態に起因することが明らかになった。 4.半導体であるボロンの超伝導化として期待されているLiドープαボロンは大きな単結晶が得られていない。われわれの開発してきた高分解能EELS電子顕微鏡を用いることで、初めてLiドープαボロン単結晶の高分解能EELS測定に成功し、フェルミ面の存在を明らかにした。すなわち、Liドープによりα-ボロンが金属化していることを実験的に明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Terauchi: "Production of zigzag-type BN Nanotubes and BN Cones by Thermal Annealing"Chemical Physics letters. 324・7. 359-364 (2000)
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[Publications] M.Terauchi: "Development of a sub-eV resolution soft-X-ray spectrometer for a transmission electron microscope"J.Electron Microsc.. 50・2(印刷中). (2001)
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[Publications] K.Tsuda: "Distinction of Space Groups (I23 & I213) and (I222 & I212121) Using Coherent Convergent-Beam Electron Diffraction"Acta Cryst.. A56・4. 359-369 (2000)
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[Publications] 寺内正己: "電子顕微鏡用軟X線分光器の製作"東北大学 科学計測研究所報告. 49・1. 61-66 (2001)
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[Publications] T.P.Smirnova: "Structure of the Boron Nitride Films Obtained by RPECVD from Borazine"Chem.for Sustainable Development. 8・1-2. 63-67 (2000)