1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11165215
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟橋 正浩 東京工業大学, 工学部, 助手 (90262287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半那 純一 東京工業大学, 工学部, 教授 (00114885)
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Keywords | 液晶 / フラーレン / 光伝導性 / 電荷輸送 / スメクティック / 吸収スペクトル / ケイ光スペクトル / キャリア生成 |
Research Abstract |
フラーレンを添加した液晶性半導体の光伝導性を定常光電流測定、過渡光電流測定によって評価し、キャリア移動度、キャリア生成効率の、電界強度、温度、フラーレン濃度依存性について検討した。その結果、層状構造を持つスメクティックB相において、大きなキャリア生成効率を示し、キャリア移動度はフラーレンを添加しない純粋な液晶材料と同じ値で、フラーレン分子がキャリアを捕捉していない事を示していた。これは、スメクティックB相での、フラーレン分子のミクロ相分離が本系の光電特性に大きな影響を与えているものと考えられる。すなわち、フラーレン分子がスメクティック層間に凝集するため、スメクティック層内の電荷輸送に影響を与えず、かつ、キャリア生成が促進されるものと考えられる。この結果は、吸収スペクトル、蛍光スペクトルからも支持された。吸収スペクトルにおいては、スメクティックB相では等方相に比べ、吸収帯が長波長シフトし、蛍光スペクトルにおいては、等方相では液晶分子の蛍光がフラーレン分子によって消光されるのに対し、スメクティックB相では消光が見られなかった。フラーレン濃度が増大すると、マクロな相分離が起こり、光伝導性は大幅に低下した。光伝導性を向上させ、さらには、フラーレン分子間の電荷輸送を観測するためには、フラーレンの液晶材料への溶解性を向上させる必要があり、現在、フラーレンにアルキル基、mesogen基の導入を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 舟橋正浩、半那純一: "Microsecond photo-response in liquid crystalline photoconductor doped with C_<70> under illumination of visible light"Applied Physics Letters. 75. 2484-2486 (1999)
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[Publications] 張宏、前田博巳、舟橋正浩、半那純一: "Photo-hole generation in smectic liquid crystalline photoconductor"Proceedings of SPIE Reprint. 3799. 168-177 (1999)