2000 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチューブ、フラーレンへの種々の物質添加と局所構造制御による新奇物性の探索
Project/Area Number |
11165238
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 本忠 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90195818)
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Keywords | フラーレン / ナノチューブ / ドーピング / 超伝導 / 高圧 |
Research Abstract |
フラーレン及びナノチューブに様々な物質を添加してドーピング化合物を作製し、金属相、超伝導相検出を目的にESR、磁化率を測定した。クランプセルを用い高圧下を含めた磁化・磁化率測定及びダイアモンド・アンビルセルを用い圧力・温度を変化させての放射光を用いたX線回折実験を行った。 1)K_xC_<70>(1≦x≦9)について3〜300Kにおいて、ESR及びSQUID測定を行い、x=6が絶縁相であり、3,4,9が金属相であることを見出した。 2)希釈冷凍機を用い、K_xC_<70>(1≦x≦9)について超伝導を探索した。x=4,9は40mKまで超伝導に転移しないことがわかった。前年度の結果をあわせるとK_xC_<70>はx=3付近でのみ超伝導の兆候を示すことがわかった。出現条件は未だ絞り切れていない。 3)K_3C_<70>についてダイアモンド・アンビルセルを用い、圧力下での構造を調べた。3GPaで、出発の面心立方晶とは異なる構造をとることを見出した。 4)Na_xC_<70>は面心立方晶のままNaがドープされ、飽和相はx=11であり単純立方晶をとることがわかった。 5)Li_xC_<70>は面心立方晶のままLiがドープされ、Li飽和相はx=14であり面心斜方晶をとることがわかった。 6)Mg_xC_<70>は面心立方晶のままMgがドープされることがわかった。Mg飽和相は未確定である。 7)前年度制作したクライオスタット付き超高真空蒸着装置に走査トンネル顕微鏡を組み入れ、C_<70>薄膜と単層カーボンナノチューブについて構造を調べた。見るべきべきデータはまだ得られていない。今後K添加を行い構造、電子状態を調べる予定である。 8)Cs_3C_<60>についてクランプ式の圧力容器を用い、1.5GPaまで加圧し1.5Kまで冷却して超伝導を探索した。現在まで超伝導転移は見出されていない。その他K_3C_<70>についても実験中である。 1),2)の一部については論文発表済み。4),5)の一部については速報発表済み。これらの残りと3),6),8)については現在論文準備中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kobayashi et al.: "X-ray Diffraction and Physical Properties of Potassium Fullerides K_xC_<70>"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 340. 611-616 (2000)
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[Publications] T.Hara et al.: "Metallic Phases in Sodium Fullerides Na_xC_<70>"AIP Conference Proceedings. (to be published).
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[Publications] H.Kumada et al.: "Structural and Physical Properties of Lithium Fullerides Li_xC_<70>"AIP Conference Proceedings. (to be published).