1999 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン・ナノチューブネットワークの電子状態及び生成過程の理論的研究
Project/Area Number |
11165242
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
澤田 信一 関西学院大学, 理学部, 教授 (80253904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 典昭 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00126145)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 分子動力学 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブの成長過程を理論的に解明するために、根元成長モデルに基づいた分子動力学シュミレーションを行った。炭素原子間の相互作用としては、Tersoff-Brennerポテンシャルを用いた。また、炭素・ニッケル金属原子間の相互作用エネルギーに関する第一原理計算の結果を参照して、基盤(連続体モデル)との相互作用ポテンシャルを作成した。温度一定のシュミレーションを行うため、ランジュバン方程式を解いた。基盤に突起の存在を仮定し、この突起にチューブの種(フラーレンの一部を切り出したもの)が付着し、その根元から成長するという状況設定のもとで成長のシュミレーションを行った。現在までに、アームチェア型5x5と、ジグザグ型10x0のシュミレーションを行った。アームチェア型5x5の場合は、基盤との相互作用を大きくすると、根元で5員環や7員環ができ成長が妨げられ、一方小さくするとクラスターが基盤からはがれてしまうという結果が得られた。この結果は、アームチェア型5x5が実験的に作成されていないことと符合する。ジグザグ型10x0の場合は、先端が閉じていなかったため、先端部の原子と根元の原子間にブリッジができてしまい、正常に成長しなかった。このことから、先端部は閉じている必要があることが分かった。いずれにしても、直径の小さな(5Å程度)のチューブは成長しにくく、もっと大きなチューブのシュミレーションを試みる必要がある。
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