1999 Fiscal Year Annual Research Report
高精度断熱ポテンシャル面の理論計算と反応素過程の研究
Project/Area Number |
11166201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 皓 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00000860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 雅弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60241296)
野呂 武司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50125340)
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Keywords | 高精度断熱ポテンシャル面 / 励起状態 / 負イオン生成 / 動力学 |
Research Abstract |
量子論に基づく化学反応の素過程の研究の発展に、信頼度の高い分子の断熱ポテンシャル面を用いることの重要性は言うまでもない。電子状態理論の目覚しい発展は反応の議論に要求される精確さで基底状態のみならず励起状態の断熱ポテンシャル面を求めることを可能にしている。 本研究の主題は高精度の断熱ポテンシャル面の生成とその上での反応動力学の展開である。その一応用としてイオン的な電子構造(H^+Cl^-)を持つ励起状態にAr原子を衝突させて負イオン(Y^-)を作る過程を対象とする。即ち Ar+H^+Cl^-→ArH^++Cl^- の反応式で与えられるプロセスを考える。負イオンはいろいろの化学プロセスにおいて重要な役割を果たすが、たやすく手に入るわけではなく、入手手段の拡大は重要である。 基底関数として縮約ガウス型関係系Ar[5s3p2dlf]、Cl[7s7p2dlf]とH[4s3p]を用いてCASSCFとMRSDCI計算を行なう。MRSDCI計算による電子相関エネルギーは分子の幾何学的変化に対して全エネルギーに比べてゆっくり変化するので、MRSDCI計算の点数はCASSCFの計算点数よりは軽減して行なう事が出来る。本研究ではArHClのCASSCFによるグローバルな断熱ポテンシャル面を求めた。計算結果は<ArHClに対する依存性は少なく、しかもH^+Cl^-のイオン的構造からArHClの中間体(励起状態)の安定構造にポテンシャル障壁無しで到達し、ArH^+Cl^-へと解離のチャンネルにつながっている。入射エネルギーにもよるが比較的容易にCl^-が得られると予測される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Mochizuki: "Theoretical Investigation of the GaF Molecule and its Positive Ion"Theoret.Chem.Acc.. 101・4. 257-261 (1999)
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[Publications] Y.Suzuki: "Potential Energy Curves of the Ti Dimer"J.Mol.Structure (THEOCHEM). 461-462. 351-357 (1999)
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[Publications] E.Miyoshi: "Multi Reference Coupled Pain Approximation (MRCPA) Calculations for the Ground State of the ArI_2Complex"J.Mol.Structure (THEOCHEM). 461-462. 547-552 (1999)
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[Publications] K.Tanaka: "CSF based Malti Reference Coupled Pain Approximation IV Revision of coupling Terms and Application to Rydberg-Valence・・・"Int.J.Quantum.Chem.. 74. 661-668 (1999)
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[Publications] K.Tanaka: "Recent Advances in Multi Reference Methods chap.4"World Science. 214 (1999)