2000 Fiscal Year Annual Research Report
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11166227
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹井 理生 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (30178628)
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Keywords | 蛋白質フォールディング / 水素結合ネットワーク / 水分子の協同運動 / エネルギーランドスケープ / 格子モデル / 分子動力学計算 / スピングラス / 進化シミュレーション |
Research Abstract |
(1)配列選択シミュレーション(機能による選択が構造と運動をつくる。)蛋白質はネイティブ構造にフォールドするために、矛盾のないコンシステントな相互作用を有するように設計されている。ペプチド鎖は変異と機能向上の選択を繰り返すことにより、現在の洗練された蛋白質にダーウィン的に進化していった。という仮説をとりあげ、立体構造の経験的ポテンシャル模型を用いてこれが可能なシナリオの一つであることを示した。 (2)蛋白質の格子模型におけるフォールディング過程の分岐。相互作用がコンシステントなように設計されている蛋白質では、構造がネイティブ構造に近いほどエネルギーが低い、という傾向をもつ。こうした特徴をもつエネルギー面はファネル(漏斗)と呼ばれることがあるが、複数の安定な低エネルギー構造があるときは、ファネルでは説明できない多彩な動的現象が期待できる。格子模型を用いてエネルギー面の特徴と速度過程の関係を分析し、リゾチームなどのフォールディングを記述する理論的枠組みを提案した。 (3)分子ネットワークの渦状構造と蛋白質の水和。水素結合ネットワークの組替えに伴い、複数の水分子は協同的に動く。その結果生じる10A以上の大きさ、100psec以上の寿命を持つメゾスコピックな渦状構造の存在をはじめて示し、渦状構造が溶質のまわりで発達、安定化されること、溶質分子間相互作用をコントロールすることを分子動力学計算により示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Sasai: "Spatiotemporal Inhomogeneity and Rugged Energy Landscape in Liquid Water"Science and Technology of High Pressure. 2. 122-124 (2000)
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[Publications] M.Sasai: "Spatiotemporal Heterogeneity and Rugged Energy Landscape in Liquid Water"Physica A. 285・3. 315-324 (2000)
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[Publications] H.K.Nakamura and M.Sasai: "Population Analyses of kinetic Partitioning in Protein Folding"Proteins. (印刷中). (2001)
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[Publications] 笹井理生: "フォールディングの物理からゲノムの物理へ"日本生物物理学会誌. 40・5. 311-312 (2000)
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[Publications] 笹井理生: "タンパク質の形づくりの原理"パリティ. 10. 53-57 (2000)