2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11166261
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
里子 允敏 日本大学, 文理学部, 教授 (30113426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 浩 日本大学, 文理学部, 助教授 (60184537)
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Keywords | 有効ハミルトニアン / 遷移金属イオン / アルカリ金属吸着 / フラーレン / 第一原理計算 / 平面グリーン関数 / 表面電気抵抗 / 金属表面 |
Research Abstract |
金属クラスター・半導体クラスター複合系の多様性を利用し、新しい機能物質を理論的に解析・予言することを目指している。(1)単純金属表面上の3d遷移金属吸着原子による表面電気抵抗を密度汎関数法で計算した。下地金属としてAlと同じ電子密度の半無限の電子ガス(ジェリウム)模型を用い、吸着原子付近の表面グリーン関数を自己無撞着に計算した。3d吸着原子による表面電気抵抗は原子番号の関数として釣鐘型の形をとる。表面原子と下地金属の相互作用とフェルミ準位付近での状態密度の効果の競合により、極大の現れることが判った。(2)遷移金属イオンのd軌道についての有効ハミルトニアンと密度汎関数法とを組み合わせた計算を行った。d軌道についての1階の単位テンソル演算子U^<(1)>(d^2)で書かれた有効ハミルトニアンを用いて、原子の種々の励起スペクトルを解析し、相互作用パラメターを求めた。d^4電子系のFeとCoの^1D_1項エネルギー、d^6電子系のCoとNiの^1D_1項エネルギーの実験値が理論計算と大きく異なり、実験の再確認を提案する。また、上記ハミルトニアンのI電子軌道がHatree-Fock 1電子軌道あるいはKohn-Sham I電子軌道とどのような関係にあるかを調べた。(3)フラーレン表面上に種々の単純金属原子、遷移金属原子を化学吸着させた系の電子状態と吸着構造の安定性を調べた。C_<60>表面上、アルカリ原子吸着量によるアルカリ原子1個あたりの有効電荷は吸着量の増大とともに減少する。M_xC_<60>^q(M=Li,Na,K,q=0,+1,-1,x=2,3,6,7,12)の構造最適化は、x=2の場合は、アルカリ金属原子が離れて配置、x=3の場合、イオン化したLiアルカリ金属どうしでくっついた配置、x=6の場合、M=Li,q=-1だけがアルカリ金属がくっついた配置をした。中性q=0の場合、アルカリ金属原子どうしで離れた配置をする。
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[Publications] H.Ishida: "Comparison of the embedding and Dyson-equation methods in the Green's function calculation of a defect in solids"Phys.Rev.. B63. (2001)
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[Publications] H.Ishida: "Surface-embedded Green-function method : A formulation using linearized augmented plane wave basis set"Phys.Rev.. B63. (2001)
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[Publications] H.Ishida: "Ab-initio calculation of surface resistivity induced by 3d adatoms on simple metals"Phys.Rev.. B63. 075408 (2001)