1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11166263
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古川 行夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50156965)
|
Keywords | 共役高分子 / オリゴチオフェン / キャリヤー / 可視・近赤外吸収分光 / ラマン分光 / 赤外分光 |
Research Abstract |
発光ダイオードなどの電子・光デバイスの材料として,共役高分子の分子設計を行う際に基礎となる実験データを構築することを目的として,共役高分子のキャリアーである正ポーラロン(電荷,+e ; スピン,1/2)と正パイポーラロン(電荷,+2e ; スピン,0)の安定化について,オリゴチオフェンを用いて検討した.オリゴチオフェンの2価カチオンでは,閉殻構造(バイポーラロン型)とピラジカル構造(1重項と3重項)(2個ポーラロン)がある。そこで、可視・近赤外吸収,ラマン,ESR分光法を用いて,オリゴチオフェンの2価カチオンの構造を研究した.6量体のラジカルカチオンは0.83と1.60eVに2本の強い吸収を与えた.2価カチオンは1.19eVに1本の強い吸収を与え,ESR測定から1重項状態であり,閉殻構造(バイポーラロン型)をとっていることが分かった.これまでに報告された鎖長の短いオリゴチオフェンの2価カチオンも,閉殻構造(バイポーラロン型)をとっていることが報告されている.一方,12量体では,6量体と異なる結果が得られた.ラジカルカチオンが0.60と1.46eVに2本の強い吸収を示し,さらに,2価カチオンも0.76と1.59eVに2本の吸収を示した.また,ESRの測定から2価カチオンは一重項状態であることがわかった.これらの結果から,12量体の2価カチオンは2個のポーラロン型構造(一重項)をとっていると考えられる.正電荷間の反発により,正バイポーラロンの電荷が分離し,2個の正ポーラロンになる方が安定になると考えられる.また,共役高分子の光誘起赤外スペクトルの測定を行い,光照射によりキャリヤーの種類とダイナミックスについて研究した.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Y. Furukawa: "Dynamic studies of Conjugated Polymers by Phase-Modulation IR-Spectroscopy"Vibrational Spectroscopy. 19(1). 77-83 (1999)
-
[Publications] Y. Furukawa, et al.: "Phase-Modulation Measurements of Photoinduced Absorptions from Poly(p-phenylene) and Poly(2, 5-dioctyloxy-p-phenylenevinylene)"Journal of Molecular Structure. (in press). (2000)
-
[Publications] Y. Furukawa: "Electronic Spectra of Conjugated Polymers and Oligomers"Handbook of Advanced Electronic and Photonic materials. (in press). (2000)