1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11166275
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
井上 克也 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40265731)
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Keywords | [3+3]環化付加反応 / ベンゼンダイマー / 金属錯体 / ルイス付加 / ルイス酸触媒 |
Research Abstract |
ベンゼンとその同族体の二量化は、Woodward-Hoffmann則に従い、一般には[2+2]、[2+4]の二量化が起こる。ベンゼン誘導体のダイマーは、高エネルギー化合物、光応答性化合物として以前から注目されている。本研究では全く新しいタイプのベンゼンダイマー誘導体として[3+3]環化付加した二量体のの合成、誘導体化、分子の物性を明らかにすることを目的として研究を行った。 最近我々は安定三重項種である1,3-ビスアミノキシルベンゼン誘導体とビスヘキサフルオロアセチルアセトナトマンガン(II)をヘキサン-塩化メチレン混合溶媒中で錯体を形成させると黒色針状の一次元フェリ/フェロ磁性体が生成し、このものが典型的な一次元分子磁性体であることを報告している。この反応では、出発原料は同じでも析出条件を変えることにより、この一次元フェリ磁性体の代わりに黄色針状結晶が得られ、この結晶には1,3-ビスアミノキシルベンゼン誘導体の[3+3]二量体(3,10-diHalo-5,8,11,12-tetrakis(N-tert-butylimino)tricyclo-[5,3,1,12,6]dodeca-3,9-dieneN,N',N'',N'''-tetraoxide)を含むことを見いだした。この分子の単離を行い、X線結晶構造解析により、この分子の分子構造を明らかにした。
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