1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11167202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
下村 政嗣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10136525)
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Keywords | 散逸構造 / 分子ホトニクス / ハニカム構造 / ミクロパターン / キャスト / dewetting |
Research Abstract |
本研究は、希薄溶液から高分子を固体基板上にキャストする過程で生じる、非平衡熱力学に支配された散逸構造の形成を制御することで、サブマイクロメーターサイズの規則的な高分子パターンを作製し、リソグラフィーフリーの新しいマイクロ加工技術の開発を行う。我々の身の回りには、散逸構造と呼ばれる非平衡熱力学に支配された動的なパターン形成が知られている。散逸構造によるパターン形成は複雑な現象ではあるものの、一般的な物理現象であるが故に、分子構造に依存することなく多様な高分子材料系に適用することが可能である。そこで本研究では、散逸構造による高分子の自己組織化に基づくミクロパターン形成の制御を行い、とりわけそれらのパターンに特徴的なフォトニクス機能の発現をめざすことで、新規高分子材料を開発する。 ハニカムパターン形成の機構を明らかにするため、蛍光顕微鏡を用いてハニカムパターンが形成されるプロセスをその場観察した。ジアルキルアンモニウム塩とポリスチレンスルホン酸とのポリイオンコンプレックスのクロロフォルム溶液を高湿度下でキャストすると、溶媒が蒸発する際の潜熱によって空気中の水分子が凝結し微小な水滴ができ、その後溶液表面で規則的なパッキングへと再配列することがわかった。ポリイオンコンプレックスを含まない溶媒のみでも水滴は形成されるが、ただちに水滴どうしが融合して不規則な配列になってしまう。このポリイオンコンプレックスは気液界面で安定な単分子膜を形成する界面活性能があるため、水滴が安定化され互いに融合がおさえられるものと考えられる。少量の界面活性物質を添加することで、ポリスチレンやポリ乳酸などのホモポリマーでもハニカム状にすることが出来、自己支持性のフィルムとして加工することも可能である。規則的な構造形成のカギは、水滴の安定性にあると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] O.Karthaus: "Mesoscopic Patterns of Polythiophenes for Electronic Applications"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 327. 253-256 (1999)
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[Publications] R.Ookura: "Stabilization of Micropatterned Polymer Films as Artificial Extracellular Matrices for Tissue Engineering"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 337. 461-464 (1999)
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[Publications] T.Nishikawa: "Honeycomb Patterned Thin Films of Amphiphilic Polymers as Cell Culture Substates"Materials Science and Engineering. C8-9. 485-500 (1999)
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[Publications] O.Karthaus: "Mesoscopic 2D Ordering of Inorganic / organic Hybrid Materials"Materials Science and Engineering. C10. 103-106 (1999)
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[Publications] M.Shimomura: "Hierarchical Structuring of Nanostructured 2-Dimentional Polymer Assemblies. in "Chemistry for the 21st Century - Organic Mesoscopic chemistry""H.Hasuhara, F.C.DeSchryver, IUPAC monograph, Blackwell Science. 260 (1999)