1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋細胞における細胞骨格分子シンクロナイゼーションによる張力機能発現連関―機械的刺激応答分子シャペロンを鍵因子として―
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11167218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
跡見 順子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90125972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 一乗 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70251337)
八田 秀雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60208535)
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Keywords | 横紋筋細胞 / 細胞骨格 / αB-クリスタリン / 微小管 / Ca2+ / L6E9 / C6グリオーマ / tensegrityモデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、筋とくに横紋筋細胞の形態・動態・運動を決定する細胞骨格及びそれらのシャペロン分子αB-クリスタリン(αB)に注目し、両者を可視化し、細胞・分子の動的画像から分子シンクロナイゼーション様態を解析することである。本年度は、三つの細胞骨格系が基本的に独自に調節されている筋芽細胞を中心に細胞動態、細胞骨格動態の可視化、機械刺激応答について解析し、以下の結果を得た。1)αBと細胞骨格との関係:αBの微小管との局在の一致・微小管(MT)の脱重合抑制効果(in vitroでCa2+及びin vivoでMT脱重合促進剤NocodazoIeに対して)を確認した。Nocodazole処理した細胞の10分後残存した微小管はαB-SE細胞で多くαBは安定化に関与していた。2)顕微鏡下での細胞動態画像取得システムの確立とαB発現制御細胞応答比較:CCDカメラによりラット筋芽細胞L6E9細胞、マウスC6グリオーマ細胞にαBを遺伝子工学的に過剰発現/発現抑制したSE/AS(sense発現増強、anti-sense発現抑制)を作製し、動的特性及び細胞骨格調節試薬に対する応答を比較した。αB-AS細胞の運動速度はαB-SE細胞に比較して大きく不安定であった。この運動はNocodazole、CytochalasinD,BDMで減少した。3)細胞形態・細胞骨格・細胞運動と機械的刺激応答:顕微鏡ステージ上にコラーゲンコートしたシリコン薄膜上の細胞を2〜10%伸張可能な伸張装置で伸張し応答を解析した。紡錘形の細胞は運動(移動)が少なく、伸張応答も少なかった。扇形の細胞は運動性があり、伸張に対して尾部の短縮などの応答が見られた。応答は細胞種、形態に特異的であるようにみえる。肝細胞や腎細胞に比較し筋芽細胞は分化前から運動性が低く、アクチンと微小管の間にtensegrityモデルのような緊張関係が強い。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Atomi, Y., Toro, K., Masuda, T. and Hatta, H.: "Fiber-type specific αB-crystallin distribution and its shifts with T3 and PTU treatments in at hindlimb muscles"J. Appl. Physiol.. 88 (In Press). (2000)
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[Publications] Harimoto, M., Hirose, M., Hayashi, T. and Atomi, Y.: "Maintenance of a round cell shape and physiological responsiveness in Insulin of mature adipocytes by culturing in type I collagen gel"Connective Tissue. 32 (In Press). (2000)
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[Publications] Atomi, Y. and Tanaka, M.: "Sense and antisense αB-crystalin expression in L6 myoblasts and C5 glioma cells results in different cell motility dependent of MT-Actin stability"Mol. Biol. Cell.. 10. 380A (1999)
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[Publications] 伏木享、跡見順子、大野秀樹編著: "身体運動・栄養・健康の生命環境科学Q&Aシリーズ「栄養と運動」"杏林書院. 145 (1998)
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[Publications] Y. Atomi: "In Current Reviews of Medical Science by Women"国際女性技術者・科学者会議 衣料部門分科会. 229 (1999)