2000 Fiscal Year Annual Research Report
筋細胞における細胞骨格分子シンクロナイゼーションによる張力・機能発現連関-機械的刺激応答分子シャペロンを鍵因子として-
Project/Area Number |
11167218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
跡見 順子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90125972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 秀明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60313160)
水野 一乘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70251337)
八田 秀雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60208535)
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Keywords | αB-クリスタリン / 横紋構造 / チューブリン / アクチン / 細胞骨格 / GFP / 微小管ダイナミクス / 心筋細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、筋とくに横紋筋細胞の形態・動態・運動を決定する細胞骨格及びそれらのシャペロン分子αB-クリスタリン(αB)に注目し、両者を可視化し、細胞・分子の動的画像から分子シンクロナイゼーション様態を解析することである。昨年度は、三つの細胞骨格系が基本的に独自に調節されている筋芽細胞を中心に細胞動態、細胞骨格動態の可視化、機械刺激応答について解析した結果、微小管はαB-SE細胞(αB過剰発現細胞)で多くαBは微小管の安定化に関与しており、2)αB-AS細胞(αB発現抑制細胞)の運動速度はαB-SE細胞に比較して不安定であることを報告した。また細胞の動的解析から、3)機械的刺激に対する応答は細胞種、形態に特異的であるようにみえ、肝細胞や腎細胞に比較し筋芽細胞は分化前から運動性が低く、アクチンと微小管の間にtensegrityモデルのような緊張関係が強いことを報告した。本年度は、ヒトαB cDNAのN末にリンカーをはさみGFP(pEGFP-C1)-αB融合タンパク質を作成し、COS-7細胞に導入し、発現と局在を確認した。鶏8日胚より調整した心筋細胞に導入し、収縮とともに横紋状のパターンを形成する様子が観察された。またアクチン・チューブリンのGFP-融合タンパク質を心筋細胞に発現させ、その動態を観察した。収縮する細胞内でアクチンは横紋構造を示した。微小管は細胞の長軸方向に発達したが、心筋の収縮とともに一部横紋構造を形成した。「動(収縮)=機能」の粋である心筋細胞において、動態基盤を構成しているアクチン及び微小管のダイナミクスを生細胞で示すことができた。世界で初めて微小管の横紋形成を生きた細胞で示した。またαBのGFP融合タンパク質の細胞内での横紋様動態を示すことができた。今後、横紋構造の破壊・再構築機構を解析し、GFP融合タンパク質で可視化した横紋構造を可視化したい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Atomi,K.Toro,T.Masuda and H.Hatta: "Fiber-type-specific alpha B-crystallin distribution and its shifts with T3 and PTU treatments in rat hindlimb muscles"J.Appl.Physiol. 88. 1355-1364 (2000)
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[Publications] 村上小百合,本間恭二,跡見順子: "機械的刺激を受けた筋芽細胞の動的応答"日本機械学会論文集. 66巻647号. 1432-1438 (2000)
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[Publications] Atomi,Y.Tanaka,M.: "Sense and antisense alpha B-crystallin expression in L6 myoblasts and C6 glioma cells results in different cell motility dependent on MT/Actin stability."Mol.Biol.Cell. 10. 381A (1999)
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[Publications] M.Harimoto,M.Hirose,T.Hayashi and Y.Atomi: "Maintenance of a round cell shape and physiological responsiveness to Insulin of mature adipocytes by culturing in type I collagen gel"Connective Tissue. 32. 11-15 (2000)
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[Publications] Atomi,Y.Ohto,E.Fujita,Y.Terada N. and Tanaka,M.: "Tension development-Structure Formation Coupling by Molecular Synchronization in Cytoskeleton of Muscle Cell-Analysis from a key factor of Molecular Chaperone Responding to Mechanical Stimuli."Molecular Synchronization for Design of New Materials System. 99-100 (2001)
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[Publications] 跡見順子,大戸恵理,田中幹人,藤田義信,寺田尚史: "細胞のストレス応答からみた重力適応機構:GFP-融合タンパク質を利用した細胞及び細胞骨格の可視化とダイナミクス"宇宙利用シンポジウムブロシーティング. 17. 182-185 (2001)
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[Publications] 跡見順子,大野秀樹,伏木亨 編著: "身体運動・栄養・健康の生命環境科学Q&A シリーズ「骨格筋と運動」"杏林書院. 128(164) (2000)
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[Publications] 跡見順子: "生命科学的な身体・心身の理解から体育・スポーツ科学の普遍性と独自性を"杏林書院. 10(279) (2000)