1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗体固定化担体としての自己分散-凝集制御型ナノスフェアの開発
Project/Area Number |
11167222
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
竹山 春子 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60262234)
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Keywords | ナノスフェア / 磁気微粒子 / アンカータンパク質 / 抗体固定化担体 / リポソーム / 有機薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、人工的に有機薄膜を融合した磁気微粒子を作製し、さらにこの磁気微粒子を抗体固定化担体として用いるために、抗体との融合可能なアンカータンパク質の設計を行うことを目的とした。 ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンを混合したリン脂質に、塩化第一鉄及び塩化第二鉄を含む溶液を加え、超音波により分散させてリポソームを作製した。次に1N水酸化ナトリウム水溶液を加えることでpH12以上にし、磁気微粒子の生成を行った。透過型電子顕微鏡により、粒径5-20nmのマグネタイト微粒子がリポソーム内に数個生成されていることが確認された。さらに、これら磁気微粒子を含むリポソームの粒度分布を測定したところ、粒径が平均150nmであり、通常のマグネタイトに比べ、はるかに分散性が優れていることが確認された。これより磁気微粒子を被覆するリン脂質膜が分散性に影響していることが考えられた。 次に、カチオン性ペプチドを含む膜結合性の領域を特定し、アンカータンパク質の設計を行うために、膜貫通型タンパク質の解析を行った。細菌破砕液から超遠心分離により膜画分を分画し、可溶化後、全膜タンパク質をSDS-PAGEによって解析をした。その結果、16kDaタンパク質が非常に多く存在していることが示された。この16kDaタンパク質の解析を行うために、アミノ酸シークエンサーによってそのN末端アミノ酸配列の決定を行った結果、58アミノ酸が決定された。これらの配列は、ヘリックス構造をとることが推測され、膜貫通領域であることが示された。膜貫通ペプチドをアンカーとして利用し、膜貫通ペプチド融合タンパク質を膜挿入することにより、粒子表面へ効率的なタンパク修飾が行えることが示唆された。
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[Publications] T. Matsunaga: "Construction of an Automated DNA Detection System for Manipulation of Microcystis spp. Using Specific DNA Probe Immobilized on the Magnetic Particles"Electrochim. Acta. 44. 3779-3784 (1999)
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[Publications] H. Takeyama: "Discrimination between Atlantic and Pacific Subspecies of the Northern Tuna (Thunnus thynnus) by Magnetic-Capture Hybridization Using Bacterial Magnetic Particles"Mar. Biotechnol.. (in press).
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[Publications] Y. Okamura: "Two-Dimensional Analysis of Proteins Specific to the Bacterial Particle Membrane from Magnetospirillum sp. AMB 1."Appl. Biochem. Biotechnol.. (in press).