1999 Fiscal Year Annual Research Report
分子シンクロナス効果による新規ステロイドホルモンセンサーの高感度化
Project/Area Number |
11167240
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小駒 喜郎 信州大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20185573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 好成 信州大学, 繊維学部, 助教授 (80174283)
近藤 慶之 信州大学, 繊維学部, 教授 (10021148)
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Keywords | シンクロナイゼーション / P-450 / アドレノドキシン / 電極活性 / センサー / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
シトクロムP-450はステロイドホルモン生合成や多くの薬物代謝を担っていることから、それらの生理機能に関連した疾病の診断用センサーや有害薬物の解毒等への工学的応用が期待されている。我々はすでに高濃度のP-450をポリピロールでITO電極上の固定化し、電子を供与することで活性発現できることを見出している。これを少量のP-450でしかも感度を向上できれば実用化に大きく前進できる。そこで、本研究では生体内における電子伝達系を参考にして、アドレノドキシン(ADX)をP-450とシンクロさせ、P-450の電極活性を高めることを目指した。今年度はP-450へ電子をメディエートする上で重要なADX自身の電極反応について検討した。 ADXが電極との静電反発を抑えるだけでなく、吸着変性も抑制できるものとして、反応溶液にポリリシンおよびポリアリルアミンといったポリカチオンを添加した。その結果、ポリリシン添加時では、-0.63Vに還元の、-0.25Vに酸化のそれぞれ明瞭なピークが得られた。しかし、ピークセパレーションが大きく、しかも酸化ピークが還元ピークよりも小さい準可逆的な応答であった。これに対し、ポリアリルアミン添加時では-0.52Vに還元ピーク、-0.40Vに酸化ピークが得られ、電極と可逆的に電子の授受がなされることが示された。来年度はこれをさらに詳細に検討するとともに、P-450への電子伝達効果を検討する予定である。
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