1999 Fiscal Year Annual Research Report
光励起に同調した超高速複素屈折率変化に基づく分子フォトニクスデバイスの構築
Project/Area Number |
11167242
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
長村 利彦 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90117200)
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Keywords | 高速空間光変調器 / 光励起 / フタロシアニン / 励起三重項 / フォトクロミック色素 / 空間分解能 |
Research Abstract |
本研究では、光励起に周期した金属-有機薄膜の複素屈折率変化に基づく新しい空間光変調器の開発と高速化、応答波長の広帯域化、高効率かつ繰り返し安定な光応答材料の探索などの検討を進めている。 我々は銅フタロシアニン(CuPcS)を含む導波モード薄膜用いる光変調において、オン(赤色レーザー照射による反射率の増加)は20ナノ秒以下とレーザーパルス幅であるが、オフは約3マイクロ秒と励起三重項状態寿命(30ナノ秒)より100倍程度遅いことを以前に報告した。今年度は、まず励起光強度の効果などからこの点を詳しく調べた。低パワーでは、30ナノ秒のオフ応答が観測され、反射光強度の変化が励起三重項の生成と失活によることが確認された。また反射光強度は繰り返し励起において安定に制御できた。約3マクロ秒の応答は、励起三重項の失活に伴う熱生成により屈折率実部が変化したためであることがわかった。 空間分解能や他方武との感度比較については、光書込後にすぐには光に戻らない安定な画像を得ることのできるフォトクロミック色素のスピロピランを導波層に用いて検討を行った。解像度チャートをマスクに用い、355nmのナノ秒レーザーで書き込むと、約3μmの空間分解能が示された。同様な導波モード薄膜系で、および比較のため銀膜を含まないプリズム・ガラス・スピロピランドープ高分子膜系でのパルスレーザー照射前後の反射率変化の測定から、同じ強度のレーザー励起で導波モード薄膜系の方が10倍以上反射強度が変化し、本系の有用性が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 長村利彦: "超高速光応答材料の開発と分子フォトニクス"機能材料. 19(4). 20-34 (1999)
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[Publications] 長村利彦: "新しい超高速光応答材料及び空間光変調分子デバイスの開発"光アライアンス. 10(9). 22-28 (1999)
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[Publications] Miriam Abe: "Photophysical properties of cytochromes c-553 and c3 extracted from Desulfovibrio vulgaris Miyazaki"J. Photochem. Photobiol., A ; Photochem.. 120(2). 125-133 (1999)
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[Publications] Hiroshi Sakaguchi: "Nanometer-scale photoelectric property of organic thin films investigated by photoconductive AFM"Jpn. J. Appl. Phys.. 38(6B). 3908-3911 (1999)
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[Publications] Toshihiko Nagamura: "Reflection-Mode All-Optical Parallel Switching in Guided Wave Geometry Including Photochromic Compounds"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (in press). (2000)
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[Publications] Toshihiko Nagamura: "The Femtosecond Technology"Springer-Verlag GmbH & Co., Germany T. Kamiya, H. Yajima, O. Wada(Ed.). 426 (1999)