1999 Fiscal Year Annual Research Report
分子シンクロシステムの構築のための機能性共役ポリマーの創製と特性の解明
Project/Area Number |
11167247
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 亮二 京都大学, 工学研究科, 助手 (40242317)
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Keywords | 重合 / 遷移金属触媒 / 共役高分子 / 光異性化 / 分子シンクロナイゼーション / アゾベンゼン / 置換ポリアセチレン |
Research Abstract |
本研究は、高分子主鎖ならびに側鎖に刺激応答性共役分子を導入し、外部刺激によってπ共役高分子の特性を制御するシステムを構築することを目的とする。本年度は、光応答性共役分子であるアゾベンゼンを側鎖に含有する共役高分子として置換ポリアセチレン[ポリ(エチニルアゾベンゼン)(1)]、およびアゾベンゼンが主鎖に導入されたポリ(フェニレンビニレン)(2)とポリ(フェニレン)(3)の合成を検討した。1は対応するp-あるいはm-エチニルアゾベンゼンをRh触媒を用いて重合することによって得られた。P-エチニルアゾベンゼンから得られるポリマーは種々の溶媒に不要であったが、m-エチニルアゾベンゼンを用いた場合、溶媒に可溶なポリマーが得られた。生成ポリマーは自立膜を与え、またその主鎖構造は選択的にシスートランソイド構造を有していることが確認された。一方、ポリマー2はPd触媒を用いるジハロアゾベンゼンとジビニルベンゼン類とのカップリング重合によって、良好な収率で得られることを見い出した。分子量は数万程度に達し、側鎖に長鎖アルキル基を導入することによって溶媒に可溶なポリマーが得られた。同様に、Pd触媒によるジハロアゾベンゼンと芳香族ジボロン酸エステルとの重縮合によっても可溶性ポリマー3が得られた。1および2中に存在するアゾベンゼンは光照射によってある程度異性化することが確認されたが、その程度は小さいものであった。これに対し、ポリマー3の光照射ではアゾベンゼン基は速やかに異性化し、その際、見かけ上の分子量が小さくなることも見い出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Atsushi Izumi: "Synthesis of Conjugated Polymers Having Azobenzene Moieties in the Main Chain"J. Polym. Chem., Part A, Polym. Chem.. 38(印刷中). (2000)
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[Publications] Masahiro Teraguchi: "Synthesis and Properties of Polyacetylenes Having Azobenzene Pendant Groups"Macromolecules. 33. 240-242 (2000)