1999 Fiscal Year Annual Research Report
ATP合成酵素の分子構築における遺伝子制御の分子シンクロナイゼイション機構-セミインタクト細胞を用いた解析
Project/Area Number |
11167259
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
樋口 富彦 徳島大学, 薬学部, 教授 (50035557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 洋文 徳島大学, 薬学部, 助手 (00093865)
新垣 尚捷 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60151148)
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Keywords | ミトコンドリア / ATP合成酵素 / 遺伝子発現制御 / 分子シンクロナイゼイション / JVSマウス / Differential Display |
Research Abstract |
申請者らは、ATP合成酵素のサブユニットの各mRNA量の絶対量を測定する方法を開発し、FischerラットF344/DuCrjの種々の組織におけるATP合成酵素のサブユニット9種(サブユニットb,c(P1),c(P2),d,e,F6,IF1,OSCP,beta-subunit)のmRNA量の絶対量を定量した。その結果、大部分のサブユニットは、心臓で最も多く発現し、ついで、腎臓で多く、脳と肝臓では少ないという組織特異性を示した。このように、各サブユニットのmRNA量は組織で大きく異なるにもかかわらず、驚いたことに、それらの発現量をモル%で表すと、いずれの組織でも各サブユニットのmRNAは一定の化学量論比からなる発現パターンを示すことが明らかとなった。また、この発現パターンは、週齢差によっても変動しないことを明らかにした。この事実は、各サブユニットの遺伝子発現が、シンクロナイズして起こっていることを示しており、これらを制御するシンクロナイザーの存在が強く示唆された。また、この分子シンクロナイゼイション機構(装置)は、調べた全ての組織にあること、そして週齢差によっても変動しないことをはじめて明らかにした。 さらに、本研究では、心筋細胞においてミトコンドリアが異常に増殖しているJVS(juvenile visceral steatosis)マウスを用いて、転写レベルにおけるATP合成酵素サブユニットの発現量の解析を行うと共に、蛍光Differential Display法により、ミトコンドリアの増殖を制御している因子の解析を行った。その結果、ミトコンドリア増殖の制御機構への関与が期待される15種のcDNAを得ることに成功しており、現在、それらの遺伝子の全構造の決定と機能の解析を行なっている。
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