2000 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性DNA複合体を用いる遺伝子情報制御システム
Project/Area Number |
11167262
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 正治 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30304744)
片山 佳樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70284528)
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Keywords | アンチセンス核酸 / DNAコンジュゲート / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 遺伝子発現制御 / ヌクレアーゼ耐性 |
Research Abstract |
アンチセンス法は、標的mRNAに対するオリゴヌクレオチド(ODN)の特異的な相補鎖形成を利用した効果的な遺伝子治療法である。本研究では、このアンチセンスODNを様々な機能性高分子で複合化し、その薬理効果の制御と標的細胞へのターゲッティング法の開発を目的としている。今年度はODNと熱応答性ポリマーであるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)との複合体を構築し、その性能評価を行った。mRNA上のリボソーム結合部位を標的配列とするアンチセンスODNを設計し、その3'末端をビニル化した。HPLC精製した後、これをNIPAAmモノマーとラジカル共重合反応させることにより、ODN/PNIPAAm複合体を得た。この複合体はNIPAAmホモポリマー同様に33℃で相転移することが確認された。ODN複合体にssDNA分解酵素(S1Nuclease)を添加したところ、複合体のヌクレアーゼ耐性は未修飾ODNと比較して明らかに向上していることが示された。次に、GFPをレポータージーンとするin vitro転写/翻訳システムによって、ODN複合体のアンチセンス効果を評価した。鋳型DNAに対して、モル比で0,10,100,そして1000倍となるように複合体を加え、27℃で発現を誘導したところ、GFPの発現は複合体の投与量に比例して効果的に抑制された。この現象は、ODNの塩基配列に特異的であり、Mismatch、Scramble配列ではその阻害効果が明らかに低下した。一方相転移温度以上(37℃)でインキュベートした場合、複合体による阻害効果は、未修飾ODNと比較して有意に低下した。つまり複合体の遺伝子発現阻害効果はODN末端に修飾されたPNIPAAmの相転移に制御されており、グロビュール化したPNIPAAm側鎖はODN-mRNAハイブリッドの形成を強く阻害することが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Maeda: "Nano-organized Hybrid Systems Comprising DNA"Precision Polymers and Nano-Organized Systems. 329-332 (2000)
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[Publications] T.Iwataki, et.al.: "Cooperat ivity vs.phase transition in a grant single DNA molecule"J.Am.Chem.Soc.. 122. 9891-9896 (2000)
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[Publications] 森健,前田瑞夫: "DNA/合成高分子コンジュゲートの新機能"日本油化学会誌. 49(10). 455-461 (2000)
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[Publications] 前田瑞夫: "岩波講座「現代工学の基礎」第3巻前田瑞夫、「バイオ材料の基礎」"岩波書店. 158 (2000)