2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11167268
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
金藤 敬一 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (70124766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 授 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (10226772)
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Keywords | 導電性高分子 / 電解伸縮 / 電気化学 / ポリピロール / ポリアニリン / 収縮力 / クリープ |
Research Abstract |
導電性高分子は昨年のノーベル化学賞で話題になったように、新規な高分子で酸化・還元により電気伝導度が絶縁体的な性質から金属的な性質に変化する。この変化に伴って、高分子の構造変化およびドーパントの挿入が起こり形状が変化して、伸長あるいは収縮が起こる。このような変化を導電性高分子の電解伸縮あるいは電解変形と呼ばれている。本年度は電解重合によって得られるポリピロール薄膜の電解伸縮挙動について、電解質,pHおよび負荷依存性等について詳細な知見を得た。 フェノールスルホン酸を支持電解液として電解重合したポリピロールの薄膜の電解伸縮は、3<pH<9の広いpH領域で活性であることが判った。これはポリアニリンのpH<4の強い酸性領域でのみ活性な材料と違って、海水中、生理食塩水さらには尿中でも動作が可能で生体内での利用も可能となり広い応用範囲が考えられる。さらに、ポリピロールは電気化学的に到達できる還元状態でも電導度が数S/cmと高く活性で、電解伸縮の繰り返しにも長く耐えることも判った。各種イオン種を用いてサイクリックボルタモグラムと伸縮挙動の同時測定より、イオン半径と伸縮率がほぼ比例の関係にあることから、ポリピロールの伸縮機構として嵩高いイオンのドープ・脱ドープが主な寄与であることが判った。ポリアニリンでは、酸化によるπ電子の非局在化による伸縮が関与する機構とは異なっている。また、荷重負荷による収縮力について測定した結果、いわゆる分子間の滑りによる伸長と電解伸縮が混在し、電解伸縮率は4〜5MPaまで1.5〜2%を示すことが判った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Kaneto,Y.Sonoda and W.Takashima: "Direct measurement and Mechanism of electrochemomechanical Expansion and Contraction in Polypyrrole Films"Jpn.J.Appl.Phys.. 39・10. 5918-5922 (2000)
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[Publications] 金藤敬一: "電解反応/導電性高分子アクチュエータ、人工筋肉"表面. 51・7. 71-73 (2000)
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[Publications] M.Kaneko and K.Kaneto: "Deformation of poly(o-methoxyaniline) Film Induced by polymer Conformation on Electrochemical Oxidation"Polymer Journal. 33・1. 104-107 (2001)
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[Publications] K.Kaneto and M.Kaneko: "Contribution of conformation change of polymer structure to electrochemomenchanical deformation on polyaniline"Applied Biochemistry and Biotechnology. (発表予定). (2001)
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[Publications] Y.Sonoda,W.Takashima and K.Kaneto: "Characteristics of Soft Actuators Based on Polypyrrole Films"Synthetic Metals. (発表予定). (2001)
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[Publications] 金藤敬一: "生体模倣ソフトアクチュエータ"「バイオミメティックハンドブック」"(株)エヌ・ティー・エス. 18 (2000)
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[Publications] 金藤敬一: "有機界面における電気化学現象"「界面ハンドブック」"(株)エヌ・ティー・エス(発表予定). (2001)