2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11167272
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
竹内 俊文 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (70179612)
|
Keywords | モレキュラーインプリンティング / 分子認識 / 光異性化 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
1.架橋性モノマーとしてジビニルアゾベンゼンを用い、テンプレートにアトラジン、機能性モノマーにメタクリル酸を選んでインプリントポリマーを合成した。ポリマーフィルムの電子スペクトルから、シス体-トランス体の光異性化が起きることを確認した。架橋性モノマーとしてジビニルアゾベンゼンのみとEGDMAを50%添加したポリマーを合成し、アトラジンの結合量を調べたところ、シス異性化により未結合のアトラジンが増え、トランス異性化により未結合のアトラジンが減る傾向が見られた。 2.アゾベンゼン部位を有する機能性モノマーとしてカルボキシル基を持った化合物を合成した。^1HNMRにより、アトラジンのNHプロトンのケミカルシフトが低磁場シフトすることから、機能性モノマーとの水素結合を確認した。しかし、この機能性モノマーは、水素結合を利用した非共有結合性のインプリントポリマーの合成に有効な溶媒であるクロロホルムへの溶解度が低く、機能性モノマーならびにテンプレートの含有率が低いポリマーが生成するため、インプリント効果が低くなることがわかった。 3.極性溶媒中では機能性モノマーとアトラジンの水素結合が阻害されたためと考えられる。そこで、溶解性を上げるために、フェニルアゾ基を有するピリジン誘導体である機能性モノマーの合成を行った。この機能性モノマーはクロロホルムに易溶であったため、インプリントポリマーの合成を行う。 4.また,アゾベンゼン部位を有する共有結合性の機能性モノマーの合成を行った。ポリマー合成後の共有結合の開裂が容易なボロン酸エステルおよび炭酸エステル型で、かつアゾベンゼン部位とビニル基を有するの機能性キノマーをデザインし、それぞれカテコールアミンおよびビスフェノールAを標的化合物として、それらのエステルとした。これらを使用してインプリントポリマーの合成と、光照射による結合能の制御を行っている。
|
-
[Publications] Matsui,J.,Kubo,H.,Takeuchi,T.: "molecularly Imprinted Fluorescent-shift Receptors Prepared Using 2-(Trifluoromethyl) acrylic Acid"Analytical Chemistry. 72. 3286-3290 (2000)