2000 Fiscal Year Annual Research Report
分子シンクロナイゼーションを発現するミクロ領域における構造と物性に関する研究
Project/Area Number |
11167282
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
原 正彦 理化学研究所, 局所時空間機能研究チーム, チームリーダー(研究職) (50181003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 裕一 理化学研究所, 超分子科学研究室, 基礎科学特別研究員 (00322678)
中嶋 健 理化学研究所, 局所時空間機能研究チーム, 研究員 (90301770)
中垣 俊之 理化学研究所, 局所時空間機能研究チーム, 研究員 (70300887)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / レオロジー / フォースカーブ / フォールディング / 単一分子 / カンチレバー |
Research Abstract |
1.ナノレオロジー測定システムの構築 単一分子を原子間力顕微鏡のカンチレバーと金属単結晶基板の間に挟み、任意の波形で分子の延伸と圧縮を繰返すカンチレバー操作用ピエゾ駆動部の構築ならびにその試料調整法を検討した。また、カンチレバーによる単一分子の延伸と圧縮に対して、同位相同周期で分子が反応する場合の観測結果に加えて、圧縮するとさらに引力(分子が縮む力)が働く逆位相現象が確認された。 2.単一分子リフォールディング現象のシミュレーション 上述の現象は分子自体がある延伸長の領域で自発的にリフォールディング(3次元的再構成)とアンフォールディングを繰返していることに相当すると考えられる。 そこで、フォースカーブ測定から実測されたように、分子のバネ定数が延伸長に依存する系(分子のバネ定数が不連続に変化する系)を仮定してシミュレーションを試みたところ、実験結果を再現する波形が得られ、本研究におけるプローブ手法によって単一分子を対象としたナノレオロジー計測の可能性が示唆された。 また本ナノレオロジー計測システムを用いて、単一高分子鎖の伸張実験、両末端をSH置換したポリスチレンでの再現性のあるデータを取得している。 以上の成果は、本研究におけるプローブ手法が、分子シンクロナイゼーションに関する、個々の分子に対するレオロジーに代表される動的現象に対して重要な知見を与えることを示している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Mitsui,K.Nakajima,H.Arakawa,M.Hara and A.Ikai: "Dynamic measurement of single protein's mechanical properties"Biochem.Biophys.Res.Comm.. 272. 55-63 (2000)