2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11168205
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
磯野 邦夫 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (70124550)
|
Keywords | ショウジョウバエ / 脳 / 白眼遺伝子 / 交尾 |
Research Abstract |
ショウジョウバエの交尾ではフェロモンや羽の振動音などによる化学感覚や聴覚などのマルチモーダルな入力系により行動が制御されている。われわれはオス複眼の突然変異体が明下で異常な求愛行動を示すことなどから視覚系の入力が求愛を制御することをこれまでに明らかにした。本研究ではこの視覚入力による行動制御に関与する微小脳の神経機構とそれを実現する遺伝的機構を解析する。本年度ではオス求愛行動に特異的に異常が起こることが知られている白眼突然変異体および強制発現させた形質転換体の3者をもちい行動解析とともに分子生物学的な解析をおこなった。白眼遺伝子whiteを強制発現させたオスにおいては予想されたように熱ショックプロモータ下で活性化されたmRNAの脳内での顕著な発現が確認された。また野生型の脳組織においても、white遺伝子が微量ながら発現することがわかった。これらの結果は、white遺伝子が野生型オス微小脳において機能的に発現し、その発現異常で起こるどちらの行動異常も微小脳におけるアミン代謝と関係があることを示唆している。次にエンハンサートラップ法を用いてオスの求愛行動の視覚制御機構に異常が起こる突然変異を誘起しスクリーンしたところ、明下で著しい求愛行動と交尾率の低下を起こす常染色体突然変異が2系統得られた。遺伝解析により1つは神経系に発現する接着分子chaoptin遺伝子の突然変異であることがわかった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] K.Isono,K.Ueno,H.Morita,M.Ohta,Y.Tsukahara,Y.Mikuni,S.Nakajima and K.Yamamoto.: "A P-element induced mutation identifies a sweet taste receptor gene in Drosophila."Proc.International Symposium of Olfaction and Taste. 13. 33-33 (2000)
-
[Publications] 磯野邦夫: "ハエの糖リセブタ"日本味と匂学会誌. 7. 183-190 (2000)
-
[Publications] 磯野邦夫: "ショウジョウバエの甘味受容に関する遺伝子Treの分子生物学的研究"日本味と匂学会誌. 7. 901-902 (2000)
-
[Publications] 太田雅之,磯野邦夫,上野耕平,森田ひろみ,三國由佳,山本和生: "ショウジョウバエ甘味受容体候補遺伝子GPCR(5A)の遺伝的多型に関する解析"日本味と匂学会誌. 7. 689-690 (2000)
-
[Publications] Tsuchihara,K.,Ueno,K.,Yamanaka,A.,Mono,K.,Endo,K.,Nishida R.,Ypshihara,K.,Tokunaga.E: "A putative binding protein for lipophilic substances related to butterfly oviposition"FEBS Letters. 478. 299-303 (2000)