2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11168220
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
加納 正道 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80183276)
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Keywords | 微小脳 / コオロギ / 空気流感覚 / 尾葉 / 逃避行動 / 巨大介在神経 / 補償作用 |
Research Abstract |
1)幼虫期から片側尾葉を継続除去されたコオロギのGlの空気流感受性 軸索と反対側の尾葉を継続切除した場合、各Glは成虫時に同様の処理を施された時よりも大きな反応量を示す傾向があることが明らかとなった。Gl9-2と9-3では1令から処理されたものが最も大きな反応を示し、特にGl9-3においては、より処理期間の長いものがより大きな反応を示したが、Gl8-1と9-1では切除期間と反応量との間に明確な関係が認められなかった。一方、同側尾葉を継続切除されたコオロギにおいても、Gl8-1、9-2および9-3の反応量は増加しており、反対側尾葉除去個体と同様、失われた興奮性入力を補償するような変化が生じていることが確認された。 2)行動および神経系の補償的変化の手がかり コオロギ自身の動きから期待される空気流感覚系への自己刺激と、実際の引き起こされる自己刺激との不整合性を手がかりにGl群の機能補正が行われているという仮定の下、いわゆるEfference copyに相当する情報をGl群に伝えているであろう下降性の介在神経の同定を試みた。第1ステップとして、空気流刺激に対する反射的反応が確認されている中肢転節の下引筋を支配する運動神経と腹部神経索の断端基部側で同時記録を行ったが、運動神経の反応と対応する下降性神経の反応は見られなかった。このことは自己の動きの情報は個々の運動神経の活動を忠実にコピーするような様式では送られていないことを示している。そのため、現在は後肢の腿節内の筋肉の活動との同時記録法に切り替え、目的とする神経の同定を急いでいる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加納正道: "The wind-evoked escape behavior of the cricket Gryllus bimacnlatus and its compensational changes after a sensory deprivation"Comparative Biochemistry and Physiology. 127/3. 368 (2000)
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[Publications] 森田真介: "Sensory inputs necessary for the switching of the air-puff evoked behaviors in the cricket"Comparative Biochemistry and Physiology. 127/3. 368 (2000)
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[Publications] 森田真介: "SENSORY INPUTS NECESSARY FOR THE ELICITATION OF THE AIR-PUFF EVOKED SWIMMING IN THE CRICKET, Gryllus bimaculatus."Zoological Science. 17;sup.. 115 (2000)