1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11168228
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
小泉 修 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (50094777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美濃部 純子 福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (80190718)
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Keywords | 散在神経系 / ヒドラ / 神経活用物質 / ペプチド / 行動生理学 / 免疫組織化学 / 比較神経生物学 / 進化 |
Research Abstract |
(1)ヒドラの散在神経系における神経伝達物質としてのペプチドの役割 : ヒドラのペプチド性シグナル分子の大規模スクリーニング(300種以上のペプチドの分離・200種以上のペプチドのアミノ酸配列決定)のプロジェクトの進行により、10種以上の興味ある活性を持つ神経ペプチドを同定した。それらの全てについて抗体作製を行った。その結果、ヒドラのペプチドは神経ペプチドと上皮細胞に局在する上皮ペプチドに大別できることが判明した。また、数種のペプチドについては前駆蛋白質の遺伝子構造まで明らかになり、in situ hybridizationも成功した。 (2)ヒドラの神経ペプチドの一般性 : ヒドラのペプチドプロジェクトの中で、C末端にGLWamideの共通配列を持つ神経ペプチドが同定された。この抗体を使って、各種の動物に同種のペプチドが存在するか調べたところ、プラナリア・線虫・ミミズ・アプリシア・ショウジョウバエ・ヤムシ・メダカ・ウシガエル・ニワトリ・マウス・ラット・サルなど調べた全ての動物の神経細胞を染色した。哺乳類では、特に原始的な脳である辺縁系に細胞体があり、神経繊維は大脳皮質に伸びていた。 (3)ヒドラの散在神経系における古典的伝達物質の存在・機能についての検討した。その結果、コリン類・アミン類のいわゆる古典的伝達物質については、抗体染色・ラジオイムノアッセイ・合成酵素の活性測定・HPLCによる物質同定・薬理学的検定・古典的な様々な染色法(アミン類の蛍光法)などの結果は、全て陰性であった。 (4)神経網の形成機構については、再生系・出芽系・再導入系・正常成熟系などの沢山の実験系を用いて、また、神経網形成異常の突然変異体を同定し、そのキメラも用いて、制御要因を細胞レベルで明らかにした。更に、その分子機構に関連して、ヒドラの神経細胞の分化を促進する神経ペプチドと抑制する上皮ペプチドを同定(構造決定・化学合成・機能同定・抗体による局在決定)した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] To TaKahashi: "Identification of a new nember of the Lwauide peptide tamily : Physinkyical activity and cellular localization in chibarian polyps"Biological Bulletin.. (in press). (2000)
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[Publications] To TaKahashi: "A novel neuropeptibe, Hym355, positirely vegulates neuron differentiation in hydra"Development. 127. 997-1005 (2000)
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[Publications] To Hatta: "Identification of a homolog of actin-binding protein, ABP-280, localized at epittelial cell-cell boundaries in hydra"Zoological Science. 16. 439-443 (1999)
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[Publications] Mo Inoue: "Localization of the neuropeptide NGIWYanide in the holothunan nervous system and its effects on muscelan coutraction"Proc. R. Soc. Lond. B.. 266. 993-1000 (1999)
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[Publications] 小泉修: "ヒドラの散在神経系の神経生物学"比較生理性化学. 16. 278-287 (1999)