1999 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の微小脳にみられるモジュール型ニューロパイル神経解剖学
Project/Area Number |
11168235
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
岩崎 雅行 福岡大学, 理学部, 助手 (60151726)
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Keywords | キノコ体 / ケニオン細胞 / 区画化 |
Research Abstract |
ゴキブリのキノコ体のケニオン細胞は,約30のグループに分かれており,柄と葉の明暗の層構造(スラブ)として観察される.柄での明暗の成因は,ケニオン細胞軸索の直径の違いであることは,すでに報告したが,今回,α葉でも明暗の成因のひとつとして軸索直径の違いがあることが明らかになった.また,スラブよりさらに細かいグループ分けが見つかった.この小グループは,厚さ1-2μmのスラブ面と平行なシートを形成していた. アリのキノコ体の柄と葉で,平均6層のスラブが観察され,さらに,それと直交する約5つの明暗のバンドが見つかった.スラブとバンドの明暗パターンは,柄と葉全体に連続していた.ケニオン細胞軸索は,蛇行せず,ほぼ平行に走行することがわかっているので,軸索は,約30のグループに分かれて,混じり合うことなく走行していることが明らかになった.同様な2方向の区画化が,ミツバチにもあることが分かった. ケニオン細胞の総数を調べるため,ゴキブリの柄部横断面の電顕像を使って,数十箇所の計測値の平均値から,約13万という数字を得た.ミツバチでも同様の手法を試したところ,柄部の傘近傍でも外来繊維の混入が多いため,ケニオン細胞を同定し数えるのは困難であった.
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Research Products
(1 results)