2000 Fiscal Year Annual Research Report
F_0F_1-ATP合成酵素サブユニットcの固体NMR法による構造解析
Project/Area Number |
11169214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 敏道 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20242381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 潔 横浜国立大学, 工学部, 助手 (20251770)
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Keywords | 固体NMR / 安定同位体標識 / タンパク質高次構造 / F_0F_1-ATP合成酵素 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
固体NMR測定のために安定同位体を用いたF_0F_1-ATP合成酵素サブユニットcの調製法を確立し,固体NMR実験を行った。アミノ酸配列特異的に同位体標識を行える有機化学的な方法では,最初に79残基の全配列を固相法で一度に合成しする.cサブユニットの精製は,主に逆相HPLCを用いて行う.この方法の収率は5%程度であったので,比較的安価に固体NMR試料を作れるようになった.今年度はこの方法で,異なる分子鎖上にあるAla24C^βとAla64C^αのみを^<13>C標識したサブユニットcを有機合成した.この試料について核間距離を測定するため,サブユニットcを生体膜に再構成して,NMR線幅が0.5ppm程度になり分解能が最も高くなる測定条件を求めた.^<13>C,^<15>N完全標識には,大腸菌の大量発現系を用いた.精製は,有機溶媒を用いる方法で効率よく精製できることがわかり,現在大量培養を行っている. これら試料を用いることにより,固体NMR法で全構造の解析ができると考えられる.このことを明らかにするために,溶液NMRで決めた化学シフトに基づいて正確にシミュレートした3次元固体NMRスペクトルについて,各残基の信号を分離して帰属できるかどうかを調べた.その結果,隣接するC^α炭素間などについての3次元等方化学シフト相関スペクトルを測定することにより,信号幅が1ppm程度ならば,ほぼすべての信号帰属が可能なことがわかった.また,今年度はこれ以外に,多次元相関スペクトルを用いて実際のペプチドの^<13>Cと^<15>N信号の帰属が可能なことを,15残基のペプチドであるマストパランXに応用して,二次構造を求められることを確かめた. まだサブユニットcの構造決定に至っていないが測定条件と測定法の確立により,これからの固体NMRによる構造決定のための基礎ができた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Suhkman Kim: "Osmotic Stability of Muramyl Dipeptide-Bearing Liposomes and Molecular Miscibility in Their Membranes"Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 72. 541-548 (1999)
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[Publications] Sumie Yoshioka: "Molccular Mobility of Protein in Lyophilized Formulations Linked to the Molecular Mobility of Polymer Excipients, as Determined by High Resolution ^<13>C Solid-State NMR"Pharmaceutical Research,. 16. 1621-1625 (1999)
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[Publications] Toshimichi.Fujiwara: "Compound Radio-Frequency Driven Recoupling Pulse Sequences for Efficient Magnetization Transfer by Homonuclear Dipolar Interaction under Magic Angle Spinning Conditions."J.Magn.Reson.,. 145. 73-83 (2000)