1999 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質結晶化の支援法の開発-ABCタンパク質を中心に
Project/Area Number |
11169222
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 博章 理化学研究所, 速度論的結晶学研究チーム, チームリーダー(研究職) (90204487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 亨 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (50293949)
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Keywords | 膜タンパク質の結晶化 / ABCトランスポーター / ABCタンパク質 / 結晶化能 / 動的光散乱 / X線結晶構造解析 / 糖鎖構造 / 遷移状態アナログ |
Research Abstract |
(1)スルホニルウレア受容体(SUR1)について結晶化に適した部分構造の抽出 SUR1タンパク質を種々のプロテアーゼで限定加水分解することにより加水分解に耐性のグロビュラーな領域、すなわちfoldingしやすい部分を見いだすことを試みた。その際、マススペクトル分析法を用いることにより、迅速かつ微量で切断位置を解析する手法の確立を目指した。また、この手法をMDR1など他のABCタンパク質へも応用することを検討した。 (2)結晶化に適することが判明した部分構造の発現系を構築 上記の分析により、結晶化に適していると考えられる部分タンパク質を発現させる系の構築を行った。 (3)得られた部分タンパク質の精製と、結晶化の適性の定量 得られた精製酵素を用いて動的光散乱(DLS)の測定を行い、得られた酵素標品が結晶化に適しているかどうかを判定した。その結果、ほとんどが結晶化に不適当であることが判明したため、タンパク質発現系を再検討することになった。 (4)糖鎖の結晶化に及ぼす役割の解明 糖鎖構造の詳細が解明されているリンゴ銀葉病菌由来ポリガラクチュロナーゼを用いて糖鎖の構造が結晶化に及ぼす影響を把握することにより、ABCタンパク質などの膜タンパク質を結晶化する場合の戦略を立てることを試みた。
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Research Products
(2 results)