2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアのタンパク質輸入装置複合体の構造解析
Project/Area Number |
11169229
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂口 雅郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30205736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 勝芳 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40029963)
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Keywords | ミトコンドリア / 膜透過 / 受容体 / 前駆体 / シグナル配列 |
Research Abstract |
ミトコンドリアには外膜・内膜にタンパク質の輸入に関るタンパク質膜透過装置すなわち、"Tom(translocase of outer membrane)-複合体"および"Tim(Translocase of inner membrane)-複合体"が存在している。本研究はTom構成因子の構造を明らかにすることを目標とした。 Tom-複合体のタグ標識した遺伝子改変酵母からの調製は、複合体が酵母細胞破砕や抽出の過程で極めて不安定であることが判明したため中止した。次いで、哺乳動物(ラット)肝臓のミトコンドリアからの調製に切り替えた。単離したミトコンドリアからの抽出・精製条件の検討と、得られる複合体の特性解析を行った。われわれが取得している因子のなかで、Tom20・Tom22・Tom40がラット複合体中に含まれていることが確かめられた。この複合体の大量調製条件を検討している。並行してTomの中心的成分であるTom40について大腸菌内での発現・精製の条件検討をおこなった。ラットのcDNAを発現すると大腸菌では封入体となった。可溶化条件の設定、精製と再生の条件設定が完了し、すでに大量の精製標品を得ている。得られた変性可溶化・再生されたTom40は、強い超遠心でも沈降することはなく、さらに光散乱実験から非常に均一な分散状態であることが明らかとなった。また膜タンパク質の場合、溶液の界面活性剤の置換やタンパク質の濃縮が技術的に煩雑になるが、小スケールのイオン交換カラムを使用することで簡便に界面活性剤の種類・濃度等の変更を行えるように工夫し、安定化や分散状態の至適化ために条件探索をおこなっている。現在、詳細な結晶化条件の検索中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kida,Y. et al.: "Membrane topogenesis of a type I signal-anchor protein, mouse synaptotagmin II, on the endoplasmic reticulum."J.Cell Biol.. 150. 719-729 (2000)
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[Publications] Ota,K. et al.: "Membrane integration of the second transmembrane segment of band 3 requires a closely apposed preceding signal-anchor sequence."J.Biol.Chem.. 275. 29743-29748 (2000)
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[Publications] Saeki,K. et al.: "Identification of mammalian Tom22 as a subunit of the preprotein translocase of the mitochondrial outer membrane."J.Biol.Chem.. 275. 31996-32002 (2000)
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[Publications] Kanaji,S. et al.: "Characterization of the signal that directs Tom20 to the mitochondrial outer membrane."J.Cell Biol.. 151. 277-288 (2000)
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[Publications] Suzuki,H. et al.: "Characterization of rat Tom40, a central component of the preprotein translocase of the mitochondrial outer membrane."J.Biol.Chem.. 275. 37930-37936 (2000)
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[Publications] 阪口雅郎(中野明彦 他編): "膜タンパク質のトポロジー形成(『タンパク質の一生』)"共立出版. 14(200) (2000)
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[Publications] 阪口雅郎(八田一郎 他編): "生体膜上における分子認識:蛋白質の膜透過システム(『生体膜のダイナミクス』)"共立出版. 18(202) (2000)