1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11169232
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
小田 順一 福井県立大学, 生物資源学研究科, 教授 (50027041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日び 隆雄 福井県立大学, 生物資源学研究科, 講師 (00285181)
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Keywords | グルタチオン / グルタチオン合成酵素 / γ-グルタミルシステイン合成酵素 / グルタミン酸脱水素酵素 / フィードバック阻害 |
Research Abstract |
大腸菌B株由来γ-グルタミルシステイン合成酵素の触媒機能の解明を目指してこれまでその遷移状態アナログの開発を行ってきた。本研究ではさらに本酵素のフィードバック阻害機構を明らかにするため、X線結晶構造解析による立体構造モデルの構築を目指して、その結晶化を行った。大腸菌B株のグルタチオン阻害脱感作変異株であるRC912株からクローニングされた酵素を用いて結晶化条件の検討を行ってきたが、この場合良質の結晶は得られなかった。これは、本酵素は516アミノ酸残基から構成される分子量58,300の単量体として存在するが、分子表面に存在するシステイン残基が容易にS-S結合を形成することで不均一な多量体を形成することが原因と考えられた。そこで化学修飾により同定された分子表面に存在する4つのCys残基(106C,164C,205C,223C)を、部位特異的変異導入法によりSer残基に置換した変異型酵素を作成した。この変異型酵素は野生型酵素と比較して活性に大きな違いはなかった。Native-PAGEと動的光散乱による解析の結果、変異型酵素はより分子量的に均一であることが判明し、結晶化能(結晶化し易さ)が向上していると考えられた。そこで、さらにこの変異体酵素を用いて結晶化条件の検討を行った。沈澱剤としてギ酸ナトリウムを使用し、20℃においてシッティングドロップ蒸気拡散法による結晶化を行ったところ、大きさが0.25×0.25×0.2mm程度の菱形の結晶が得られた。本結晶をSPring-8のビームラインBL40B2を用いてX線解析強度データの測定を行ったところ、2.5A^^゜分解能をこえる回折斑点が観測された。その結果、本結晶は三方晶系に属し、空間群はR3またはR32、格子定数はa=b=326.6A^^゜、c=104.2A^^゜、α=β=90゜、γ=120゜であった。
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Research Products
(1 results)