2000 Fiscal Year Annual Research Report
SPring-8における生物マシーナリー研究のためのより効率的な放射光利用法
Project/Area Number |
11169244
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
神谷 信夫 理化学研究所, 研究技術開発室, 副主任研究員 (60152865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 圭子 (財)高輝度光科学研究センター, 利用促進部門, 主幹研究員
河本 正秀 (財)高輝度光科学研究センター, 利用促進部門, 研究員
河野 能顕 理化学研究所, 研究技術開発室, 研究員 (70321750)
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Keywords | 集合系型生物マシーナリー / 網羅的結晶構造解析 / X線損傷 / ヘリウムガス冷却 / 利用環境整備 |
Research Abstract |
「生物マシーナリー」特定領域研究では,シンクロトロン放射光を利用して複合体型マシーナリーと集合系型マシーナリーを研究する.SPring-8では,複合体型マシーナリーの研究にはBL41XUが,集合系型マシーナリーにはBL40B2が適しており,本年度はBL40B2の高度化研究を進めた.集合系型マシーナリーでは,系を構成する多数の蛋白質の構造を網羅的に迅速に決定する必要がある.その中には,サイズが数十ミクロンと極端に小さい結晶しか得られないものも多い.このような場合には入射X線による結晶試料の損傷を回避することが特に重要となり,それには結晶試料を可能な限り低温に保つことが有効である.そこで本年度はまず第1に,到達温度30Kの「ヘリウムガス冷却ゴニオメータ装置」をBL40B2に導入して,従来の窒素ガス冷却による到達温度から一気に70Kの低温化をはかった.このような低温実験では,ビームラインを利用する前に実験室系の回折計を利用した試料の準備が不可欠である.そこで「実験室系X線発生装置」を整備してオフラインにおける低温試料の検定を可能とした.集合系型マシーナリーの研究では関連するタンパク質が多数におよぶため,それぞれの結晶構造解析をルーチン化するとともに,解析計算に要する時間の短縮が必要となる.そこで「タンパク質構造解析計算機用サーバー」を導入し,蛋白質結晶構造解析の迅速化をはかった.またBL40B2で回折強度測定を行う共同利用ユーザーの結晶試料を保存するために「結晶用インキュベータ」を2台(設定温度20℃,4℃)用意して,ユーザー実験の利便性を確保した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawamoto,M,Kawano,Y,and Kamiya,N.: "The Bio-Crystallography beamline (BL41XU) at SPring-8"Rev.Sci.Instrum.. (in press). (2000)
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[Publications] Matsuura,Y., Stewart,M.,Kawamoto,M.,Kamiya,N. et al.: "The 2.0A resolution crystal structure of a mutant actin that hyperactivates thin filaments"J.Mol.Biol.. 296. 579-595 (2000)
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[Publications] Shen,J-R.and Kamiya,N.: "Crystallization and the Crystal Properties of the Oxygen-Evolving Photosystem II from Synechococcus vulcanus"Biochem.. 39. 14739-14744 (2000)
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[Publications] 河本正秀,河野能顕,神谷信夫,山根隆,三木邦夫,森本幸生: "生体高分子結晶構造解析ビームライン(BL41XU)の到達点とアンジュレータX線の拓く構造生物学"日本結晶学会誌. 42. 87-96 (2000)
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[Publications] 神谷信夫,坂部知平,坂部貴和子: "構造生物学のための大型実験施設,つくばと播磨の放射光施設"蛋白質核酸酵素. 45. 1279-1288 (2000)
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[Publications] 安岡則武,神谷信夫: "生体超分子システムに迫る,シリーズ・光が拓く生命科学,第8巻,夢の光り-放射光が拓く生命の神秘"共立出版(安岡則武,木原裕 編). 14 (2000)