1999 Fiscal Year Annual Research Report
血液神経関門培養モデルを用いた炎症性ニューロパチーの発症機序の解明
Project/Area Number |
11170218
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神田 隆 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40204797)
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Keywords | 血液神経関門 / 血液脳関門 / サイトカイン / 血管内皮細胞 / 抗GM1抗体 / 炎症性ニューロパチー |
Research Abstract |
BNBの主座である末梢神経神経内膜由来内皮細胞(Peripheral nerve microvascular endothelial cell; PnMEC)の培養は、その技術的困難から長らく成功していなかったが、申請者はウシ馬尾を用いてその大量培養法に成功した。この細胞を0.4μm孔径のculture insertの上面に培養し、BNB膜モデルを作成した。BNBモデルの健常性は(1)14C-イヌリン・クリアランスと(2)膜電気抵抗にて評価し、以下の結果を得た。(1)TNFα、IL-1β、VEGFなどのサイトカインは膜透過性を亢進させる。この透過性の変化は、サイトカインの種類によって時間的経過に相違が認められる。(2)BNBモデルは星状膠細胞のほか、末梢神経微小血管由来血管周細胞との共培養により強化される。周細胞との共培養の効果は脳微小血管由来内皮細胞では観察されず、BNBに特異的な現象であると考えられる。(3)抗GM1モノクロナル抗体は膜透過性を亢進させるが、内皮細胞の構成成分である他のガングリオシド、たとえばGDla,GDlb,GTlb等に対する抗体は有意な変化をきたさず、抗体による膜透過性の亢進は抗GM1抗体に特異的な現象と考えられる。現在、各種ニューロパチー患者血清を用いた膜透過性実験、および膜透過性を変化させる細胞内シグナルのメカニズムについての研究が進行中であるが、最新の実験によりギラン・バレー症候群急性期の患者血清は膜透過性を亢進させることが明らかになり、現在、臨床経過と透過性亢進の時間的関係を含めた解析を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Iwasaki, T., Kanda, T., Mizusawa, H.: "Effects of pericytes and various cytokines on integrity of endoneurial monolayer originated from blood-nerve barrier : an in vitro study"Journal of Medical and Dental Science. 46 (1). 31-40 (1999)
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[Publications] Kanda, T., Yamawaki, M., Iwasaki, T., Mizusawa, H.: "Glycospphingolipid antibodies and blood-nerve barrier in autoimmune demyelinative neuropathy"Neurology. 54 (3). in press (2000)
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[Publications] 岩崎孝之、神田隆、水澤英洋: "In vitroモデルをもちいた血液脳関門及び血液神経関門の研究"脳の科学. 21. 553-556 (1999)
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[Publications] Kanda, T., Iwasaki, T., Nakamura, S., Ueki, A., Kurosawa, T., et al.: "FGF-9 is an autocrine/paracrine neurotrophic substance for spinal motoneurons"International Journal of Development Neuroscience. 17(3). 191-200 (1999)