2001 Fiscal Year Annual Research Report
植物-病原微生物の分子応答機構の解明-耐病性植物の創出に向けて-
Project/Area Number |
11185101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 一郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10113523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20197164)
渡辺 雄一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60183125)
白石 友紀 岡山大学, 農学部, 教授 (10033268)
眞山 滋志 神戸大学, 農学部, 教授 (00112251)
露無 慎二 静岡大学, 農学部, 教授 (30090541)
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Keywords | 病原微生物 / 相互作用 / 耐病性 |
Research Abstract |
6月30日と12月7-8日に合同班会議を評価委員も参加して開催し、全体の研究の進展状況を把握して、年度計画の目標達成度と成果の評価を行い、次年度の研究課題と方向性を明確にした。7月25日-26日に糸状菌・細菌班が、また8月23日-24日にウイルス班が班会議を開催して、個々の研究の進行状況を報告して、今後の展開を活発に論議した。12月8日には公開シンポジウムを開催した。ジーンサイレンシングをテーマに、植物ウイルスのサイレンシング抑制についてアメリカよりヴァンス博士を招へいし、また線虫のサイレンシングについて田原博士より講演いただき、活発な討論がなされた。さらに、9月13日〜14日に若手の研究会を開催し、若手研究者同士の研究発表と討論をおこなった。ニュースレターを5-7号を刊行して、班員全員に領域全体の研究の進展、行事の進行を伝えた。 領域の主な実績は以下のようにまとめられる。 1)糸状菌の侵入を感知して、シグナル伝達系を始動させる細胞壁中の分子が明らかにされつつある。2)感染初期防御応答でカルシウムチャンネルが重要な役割を担っていることがわかった。3)過敏感反応細胞死で、動物のアポトーシスと相違点が明確に整理された。4)バクテリヤの、過敏感反応細胞死のエリシター分子としてフラジェリンが特定された。5)宿主特異性に関する研究では、毒素感受性の分子機構の一つが明らかにされた。6)CMV遺伝子発現を抑制する宿主因子の一つが同定された。7)過敏感反応細胞死によるCMV抵抗性を決定する遺伝子がササゲで特定されつつある。8)ジーンサイレンシングとウイルスの病原性の関係が新たに展開しつつある。9)DNAアレーによって総括的に宿主応答を解析する試みを準備している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hirashima, K.: "Tobamovirus replicase coding region is involved in cell-to-cell movement"J. Virol.. 75. 8831-8836 (2001)
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[Publications] Nagano, H.: "Conversion in the requirement of coat protein in cell-to-cell movement mediated by the cucumber mosaic virus movement protein"J. Virol.. 75. 8045-8053 (2001)
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[Publications] Seo, S.: "Transient accumulation of jasmonic acid during the synchronized hypersensitive cell death in tobacco mosaic virus-infected tobacco leaves"Mol. Plant Microbe Interac.. 14. 261-264 (2001)
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[Publications] Yoshioka, H.: "Induction of plant gp91phox homolog by fungal cell wall, arachidonic acid and salicylic acid in potato"Mol. Plant Microbe Interac.. 14. 725-736 (2001)
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[Publications] Yao, N.: "Novel evidence for apoptotic cell response and differential signals in chromatin condensation and DNA cleavage in victorin-treated oats"Plant J.. (in press). (2001)
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[Publications] Yamakawa, H.: "Transcriptionally and post-transcriptionally regulated response of 13 calmodulin genes to tobacco mosaic virus-induced cell death and wounding in tobacco plant"Eur. J. Biochem.. 268. 3916-3929 (2001)