2004 Fiscal Year Annual Research Report
植物-病原微生物の分子応答機構の解明-耐病性植物の創出に向けて-
Project/Area Number |
11185101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 一郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10113523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 税 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60281854)
白石 友紀 岡山大学, 農学部, 教授 (10033268)
日比 忠明 玉川大学, 学術研究所, 教授 (50261954)
道家 紀志 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80023472)
真山 滋志 神戸大学, 農学部, 教授 (00112251)
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Keywords | 病原微生物 / 相互作 / 耐病性 |
Research Abstract |
本領域は、1)植物が病原微生物を認識し、シグナル伝達系を通じて、種々の防御応答が発現する一連の分子機構の解明し、また2)病原微生物が宿主因子と相互作用して発現させる病原性や宿主の抵抗性の分子機構の解明して、耐病性分子育種を目指している。多様な植物に多様な病原微生物が存在しており、その組み合わせによって、発現する病原性と防御応答も一つではない。しかし様々な組み合わせにおいても分子機構を解明する過程で共通の防御応答が見えてくると確信している。合同研究会議2回、若手研究会、公開シンポジウムを行った。またニュースレター14から16号を刊行した。 重要な成果は以下のようである。1)これまで報告されてきたウイルスのRNAiサプレッサーはいずれもタンパク質であったが、Red clover necrotic mosaic virus(RCNMV)RNA1のRNAi抑制活性はRNA1の複製とリンクしていることを発見した。さらに、RNA1がコードするp27、p88と複製能を持つRNAの存在がRNAi抑制には必要であった。2)Vb遺伝子座を保有するエンバク品種はエンバク葉枯病菌の産出する宿主特異的毒素ビクトリンに感受性を示し急激な細胞死を起こす。この細胞死は、毒素によって引き起こされる受動的な細胞死ではなく、ヘテロクロマチンの凝集および明瞭な核DNAのラダー化を伴うアポトーシス様の細胞死であった。病原菌の感染に対して起こる植物のHR細胞死は遺伝的にプログラムされた能動的な細胞の自殺であり、動植物を通じて共通のプログラム細胞死機構が存在するということが示唆された。3)CMV(Y)抵抗性におけるサリチル酸シグナル伝達系とジャスモン酸シグナル伝達のクロストークを解析した。その結果、CMV(Y)感染C24では、SAシグナル伝達系とJAシグナル伝達系が拮抗的にクロストークしているものと考えられた。
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Research Products
(6 results)