1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11201206
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福嶌 義宏 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (00026402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 岳史 岩手大学, 農学部, 助教授 (20152142)
檜山 哲哉 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (30283451)
中尾 正義 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (90142695)
窪田 順平 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90195503)
吉川 賢 岡山大学, 農学部, 教授 (50166922)
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Keywords | 東シベリア / タイガ林 / 熱・水フラックス / 接地境界層観測 / 蒸散量 / 樹液流速 / 植物生理生態 / 寒冷域生物圏水循環モデル |
Research Abstract |
東シベリア中央平地にあるヤクーツク近傍のタイガ林(カラマツ林)において、融雪開始期から夏期を通して、既存の超音波風速温度計等を用い渦相関法によってカラマツ林での一次元の熱・水フラックスの連続観測を実施した。同時に、移動式の接地境界層観測システムを用いて、カラマツ林以外で東シベリアの地表被覆を構成する重要な地表面形態である草地においても、熱収支や二酸化炭素輸送量に関する観測を実施した。また、設備備品として購入した観測用アームによりアカマツ林地にも観測用タワーを設置し、接地境界層観測システムを取り付けた。カラマツ林における熱・水フラックス観測からは、顕著な年々変動がみられた。この年々変動は融雪時期と年降水量にも大きく関与していることが明らかとなった。また、草地とカラマツ林での熱・水フラックスは大きく異なることがわかり、草地で正味に受け取る熱量のほとんどが地中への伝導熱として費やされることが判明してきた。カラマツ林と草地での二酸化炭素の輸送量を比較したところ、日中の正味の炭素固定量は、草地ではカラマツ林の半分程度であることがわかった。 一方、個葉レベルでのカラマツとアカマツの光合成量や蒸散量のフラックスとその季節進行にかなりの相違があることが判明してきたため、カラマツ、アカマツそれぞれの樹液流速と蒸散量を個木単位で決定し、生物種の相違による植物生理生態構造を解明する準備と一部の結果を得た。 観測とは別途、寒冷域生物圏水循環モデルを日本国内で開発し、暖候域や乾燥域で得られた水文・気象データと比較し、水循環に及ぼす異なる気候帯での生物活動の差異を明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiyama, T., M. Sugita, H. Bergstrom and M. Molder: "Wind speed measurements in upper and lower boundary layer to determine regional momentum fluxes"Agricultural and Forest Meteorology. 98-99巻. 145-158 (2000)
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[Publications] Ma, X., Y. Fukushima, T. Hashimoto, T. Hiyama and T. Nakashima: "Application of a simple SVAT model in a mountain catchment under temperate humid climate"J. Japan. Soc. Hydrol & Water Resour.. 12巻4号. 285-294 (1999)
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[Publications] Ma, X., Y. Fukushima, T. Hiyama T. Hashimoto, and T. Ohata: "A macro-scale hydrological analysis of the Lena River basin"Hydrological Processes. 14巻3号. 639-651 (2000)
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[Publications] Ohta, T., K. Suzuki, Y. Kodama, J. Kobota, Y. Kominami and Y. Nakai: "Characteristics of the heat balance above the canopies of evergreen and deciduous forests during the snowy season"Hydrological Processes. 13巻14-15号. 2383-2394 (1999)
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[Publications] 檜山哲哉: "湿度(牛山素行編「身近な気象・気候調査の基礎」)"古今書院. 45-67 (2000)