2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11201207
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大畑 哲夫 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (90152230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 睦 北海道大学, 農学部・演習林, 助手 (20271629)
石井 吉之 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (40222955)
石川 信敬 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (70002277)
山崎 剛 東北大学, 理学研究科, 助教授 (80220317)
溝口 勝 東京大学, 農学部, 助教授 (00181917)
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Keywords | ツンドラ / 水循環 / 積雪 / 凍土 / 蒸発 / 流出 / 熱収支 / 融解深 |
Research Abstract |
平成12年度は11年度に引き続き、ツンドラ帯に以前から設置してある観測網を基に、陸域水・エネルギー循環の有人観測を実施するととともに、アラス地区における水循環の観測も実施した。さらにツンドラ・森林帯のモデル構築のための検証・駆動実験を併せて行った。ツンドラでは融雪期から無雪期にかけて日本人3人およびロシア人4人が滞在し、積雪・融雪現象を中心に現地観測を行い、他の時期については、自動気象観測およびロシア人への委託観測によりデータを確保した。アラス地区では、4月から5月にかけて測器を設置し、夏期に日本人が交代で滞在し観測を実施した。その結果、両地区で通年にわたり陸域での水熱交換の良好なデータセットを所得することができた。これらの観測とモデル研究を通じて、新たに以下のことが分かった。 (1)ツンドラ帯のティクシについては4年間の気候の異なる年の夏期水循環の状態のデータが得られ、この地域は年々変動が大きいことが分かった。 (2)夏期の降雨流出応答を解析し、遅れ時間や流出率は出水毎に様々に異なり、活動層厚の増加に伴う変化は見られなかった。 (3)ツンドラ水熱循環モデルの構築を開始し、一定程度の成果は見られたが、平成13年度に各種パラメター値の確認が必要であることが示された。 (4)アラス地区の陸面水熱交換については、草地と森林で放射量はほとんど差が無いが、蒸発量は一定程度、顕熱にいたっては非常に大きな違いがあることが分かった。地表面状態の違いが、大気への影響を大きく制御することが分かった。 (5)1次元の植生・積雪・土壌モデルを開発、改良して、シベリアすることに成功した。 (6)積雪のある森林域の分光反射特性と降雪遮断の特性が明らかになった。 研究期間中、10月と3月の2回、札幌と東京にて研究集会を持ち結果及び成果をとりまとめた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ma,X.,Fukushima,Y.,Hiyama,T.,Hashimoto and Ohata,T.: "A macro-scale hydrological analysis of the Lena River basin"Hydrological Processes. 14. 639-651 (2000)
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[Publications] Ohta,T.,Hiyama,T.,Tanaka,H.,Kuwada,T.,Maximov,T.C.,Ohata,T.and Fukushima,Y.: "Seasonal Variation in the energy and water exchange above and below a larch forest in Eastern Siberia"Hydrological Processes. (In press). (2001)
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[Publications] Yang D.and Ohata,T.: "A biased-corrected Siberian Regional Precipitation Climatic Description"J.Hydrometeorology. (In press). (2001)
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[Publications] 大久保玲子,山崎剛: "降雪遮断の水文気象的な影響に関するモデル研究"水文・水資源学会誌. 13. 362-370 (2000)
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[Publications] Takayabu,I.,Takata,K.,Yamazaki,T. 他3名: "Comparison of the snow accumulation and the soil freezing processes among four land surface process models by using GAME/Tibet POP'97 data"J.Met.Soc.Japan. 79 (in press). (2001)
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[Publications] Kodama,Y.,Ishii,Y.,Sato,N.,Nomura,M.,Yabuki,H.and Ohata,T.: "Seasonal change in water and energy cycle over tundra in Eastern Siberia"Proceedings of "the Extremes in Cold Environment" of the American Water Resources Association. 15-21 (2000)
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[Publications] Kobayashi,D.,Ishii,Y.and Kodama,Y.: "Stream temperature, specific conductance and runoff process in mountain watersheds"Hydrological Processes. 13. 865-876 (1999)
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[Publications] 石井吉之: "凍結土壌内への融雪水の浸透"北海道の農業気象. 52. 1-6 (2000)