2000 Fiscal Year Annual Research Report
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11203101
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
湯田 利典 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60092368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 嘉昭 甲南大学, 理学部, 教授 (70068112)
村木 綏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)
荒船 次郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80013415)
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10260514)
堀田 直己 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (60157039)
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Keywords | チベット / 宇宙線放射天体 / 高エネルギー宇宙線 / 空気シャワー観測装置 / 太陽中性子望遠鏡 / ガンマ線点源 / カニ星雲 / 活動銀河核 |
Research Abstract |
特定領域研究B「チベットにおける高エネルギー宇宙線放射天体の研究」の総括班であり、この下で4つの計画研究を実施している。 研究項目A「高エネルギー宇宙線放射天体」:計画研究A01「10TeV領域ガンマ線放射天体の研究」、及び計画研究A02[Knee領域一次宇宙線の研究] 研究項目B「太陽活動期の高エネルギー宇宙線」:計画研究B01「高エネルギー宇宙線による太陽磁場変動の研究」、及び計画研究B02[太陽フレア中性子による粒子加速の研究] この計画実施のために、中国と共同でチベットの羊八井(標高4300m)に面積約4万平方キロメートルの高感度空気シャワー観測装置及び太陽中性子望遠鏡を設置し、高エネルギー宇宙線の観測を行っている。現在の装置は、平成11年度から順調に稼動している。11年11月末にフレア中性子の信号を捕らえた。平成12年度には、空気シャワー装置の増強を行い、10の14乗から10の17乗の広いエネルギー範囲に亘って一次宇宙線の観測が出来るようにした。この空気シャワー装置により、1)カニ星雲から3TeV以上のガンマ線の検出に成功し、10TeV近辺でのエネルギースペクトルを求めた。これは空気シャワー装置による世界最初のガンマ線点源の検出である、2)1977年のhigh stateにあった活動銀河核Mrk510からのガンマ線の観測にも成功した、3)空気シャワー装置とバースト検出器の連動実験によって得られたデータから、親のエネルギー200TeVから1000TeVの間の陽子成分のエネルギースペクトルを求めた、4)1996-97年の静穏期の太陽の影の変動を調べ、影が太陽近傍の磁場変動に強く依存していることを明らかにした。これらの結果はすべて学術雑誌に掲載された。 昨年2月から活動銀河核Mrk421の活動が活発となり、現在も時々フレアを起こしている。チッベとの装置でもこれが観測されている。これらチベットの実験で得られた最新の結果は今年8月にドイツのハンブルグで開催される第27回宇宙線国際会議で発表される。 昨年の11月上旬に昆明の雲南大学で、日中研究者の合同会議を行い、そこで共同研究の進捗状況の報告、今後の計画の進め方等について議論が行われた。この会議への参加者は、日本、中国からそれぞれ24,20名であった。会議の内容は、論文集として印刷される予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "Obsevtaion of multi-TeV gamma rays from the Crab Nebula using the Tibet air shower array"The Astrophysical Journal. 525巻No.2. L93-L96 (1999)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "Detection of multi-TeV gamma rays from Markarian 501 during an foreseen flaring state in 1977 with the Tibet air shower array"The Astrophysical Journal. 532巻No.1. 302-307 (2000)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "A study of the shadowing of galactic cosmic rays by the Sun in a quite phase of solar activity with the Tibet air shower array"The Astrophysical Journal. 541巻No.2. 1051-1058 (2000)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "Measurement of air shower cores to study the cosmic ray composituion in the knee energy region"Physical Review D. 62巻. 072007 1-12 (2000)
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[Publications] M.Amenomori et al.: "Primary proton spectrum between 200 TeV and 1000 TeV observed with the Tibet burst detector and air shower array"Physical Review D. 62巻. 112002 1-13 (2000)