1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11203201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湯田 利典 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (60092368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 興平 埼玉大学, 理学部, 教授 (60008844)
川崎 雅裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50202031)
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10260514)
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Keywords | チベット / ヤンパーチン / 空気シャワー観測装置 / 宇宙ガンマ線 / カニ星雲 / 活動銀河核 / ガンマ線フレア / 月の影 |
Research Abstract |
昨年秋に、チベットのヤンパーチンで稼働している空気シャワー装置に245台のシンチレーション検出器を増設した。これにより、検出器間隔が7.5m、検出器総数が545台の高密度空気シャワー観測装置が完成した。検出器がカバーする有効面積は約20,000m^2であり、イベントのトリガー頻度は約680Hzである。観測可能な空気シャワーのエネルギーは約3TeVであり、3週間分の月の影のデータ解析から、装置の角度分解能は0.9度以下になると推定されている。 昨年夏まで稼働していた空気シャワー装置で得られたデータの解析を集中的に行った。この解析から、カニ星雲からのガンマ線が500日の観測日数に対して約6σの有意さで検出された。また、3TeV-20TeVの領域でのガンマ線のエネルギースペクトルが求められた。これは、空気シャワー装置による宇宙ガンマ線の世界最初の観測であり、その物理的意義は非常に大きい。また、空気チエレンコフ装置で観測されたデータに与える影響も大きい。チベットで得られたデータは、月の影の地磁気による移動からシャワーのエネルギーが評価されているため、その信頼度は極めて高い。シャワーのエネルギー較正が行われたのは、宇宙線実験では初めてのことである。さらに、1997年の活動が活発になった活動銀河核Mrk501からのガンマ線フレアの検出にも成功した。 新しい観測装置は、今までの装置の約2.5倍の感度も持っているため、カニ星雲からのガンマ線スペクトルが100TeV領域まで観測可能になる。このデータからカニ星雲での粒子加速について新たな結果が得られるはづである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M. Amenomori: "Detction of multi-TeV gamma rays from Markarian 501 during an unforeseen flaring state in 1997"The Astrophysical Journal. 532 (in press). (2000)
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[Publications] M. Amenomori: "Observation of multi-TeV gamma rays from the Crab Nebula using the Tibet air shower array"The Astrophysical Journal. 525. L93-L96 (1999)
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[Publications] M. Amenomori: "Search for supra-TeV gamma-ray emission from nearby AGNs with the Tibet air shower array"Proc. 26th Inter. Cosmic Ray Conf.. 3. 418-421 (1999)
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[Publications] M. Amenomori: "Search for gamma-ray emission from SNRs with the Tibet air shower array"Proc. 26th Inter. Cosmic Ray Conf.. 3. 508-511 (1999)