2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11203201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10260514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 雅裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50202031)
水谷 興平 埼玉大学, 理学部, 教授 (60008844)
湯田 利典 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60092368)
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Keywords | 宇宙線 / ガンマ線 / チベット / カニ星 / Mrk421 |
Research Abstract |
中国と共同でチベットの羊八井(標高4,300m)に空気シャワー観測装置を設置し、宇宙点源から飛来する10TeV領域のガンマ線の系統的な探索と観測を行っている。宇宙線の起源と加速の問題を解明するのが主要な目的である。空気シャワー観測装置は面積0.5m^2のシンチレーション検出器を7.5m間隔で碁盤目状に545台配置したもので、有効面積は約22,000m^2である。この装置は3TeV以上の宇宙線を精度よく観測できる唯一の空気シャワー観測装置である。 平成12年9月から10月にかけて、15m間隔の検出器130台にダイナミックレンジの広い光電子増倍管を増設し、平成12年11月から観測を開始した。これにより、数10TeVから数100 TeV領域のエネルギー決定精度がシミュレーションの結果によると、約40%向上した。 平成11年に、カニ星雲からの高エネルギーガンマ線を空気シャワー観測装置で初めて検出したが、昨年までのデータを解析してさらに統計量を増やし、カニ星雲からのガンマ線のエネルギースペクトルを精度良く求めた。それによるとガンマ線強度は現在チェレンコフ光観測装置で求められている値の約2倍になる。この高エネルギーガンマ線のスペクトルはSSCモデルで説明できるが、このモデルに従うと、カニ星雲近傍でガンマ線が発生している領域の磁場の強さは10nTと推定される。 また、平成12年前半に、活動銀河核Mrk421がフレアを起こしているが、これに伴う高エネルギーガンマ線を3σレベルで検出した。この結果に関しては現在精密に解析中である。このような活動的天体の時間変化を観測するには、空の明るさや天候によらず連続観測が可能な空気シャワー観測装置が最適である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Amenomori et al.: "Detection of Multi-TeV Gamma Rays from Markarian 501 During an Unforeseen Flaring State in 1997 with the Tibet Air Shower Array"The Astrophysical Journal. 532. 302-307 (2000)
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[Publications] Amenomori et al.: "Observation of Multi-TeV Gamma Rays from the Crab Nebula using the Tibet Air Shower Array"The Astrophysical Journal. 525. L93-L96 (1999)
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[Publications] Amenomori et al.: "Primary proton spectrum between 200 TeV and 1000 TeV observed with the Tibet burst detector and air shower array"Physical Review D. 62. 102002 (2000)
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[Publications] Amenomori et al.: "Measurement of air shower cores to study the cosmic ray composition in the knee energy region"Physical Review D. 62. 072007 (2000)
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[Publications] Amenomori et al.: "A Study of the Shadowing of Galactic Cosmic Rays by the Sun in a Quiet Phase of Solar Activity with the Tibet Air Shower Array"The Astrophysical Journal. 541. 1051-1058 (2000)