1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11203202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
堀田 直己 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (60157039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 槇雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (50018016)
佐藤 禎宏 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50114161)
太田 周 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30008023)
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Keywords | 宇宙線 / 空気シャワー / Knee流域 |
Research Abstract |
羊八井に設置した空気シャワー観測装置に新たに247台のシンチレーション検出器を増設しTibetII検出器群の高密度化(15mスパンの格子状を7.5mスパンの格子状に)を行った。アレーの高密度化の有効性はすでに一部を高密度化したTibetII/HDアレーで確認されており、地上に設置した空気シャワー観測装置で世界で初めてガンマ線の検出に検出した。カニ星雲からのガンマ線、および活動的銀河Mkr501の1997年のフレアー期におけるガンマ線を検出し精度の高いエネルギースペクトルを得ている。今回の増設により高密度部分の面積が4倍となり、約3TeVから数10TeVまでのガンマ線スペクトルの精密な観測が期待される。観測装置の連続運転を行っており、現地での予備解析で、1週間分のデータを用いて月の影を3σレベルでの検出に成功し、引き続きデータの蓄積を行っている。また、空気シャワー観測装置とエマルションチェンバーの連動実験の解析を進め、第26回宇宙線国際会議で、一次陽子エネルギースペクトル絶対頻度の予備的結果を報告した。陽子成分のスペクトルは、Knee付近では低エネルギーからの外挿よりも下がっており、100TeV前後にスペクトルの折れ曲がりが見られ、陽子加速の限界が示唆される。1996年度より3ヶ年計画で開始した本連動実験は本年8月に最後のエマルションチェンバー露出を完了し、X線フイルムを日本に持ち帰り現像処理を行った。X線フィルムに記録されたデータの解析を早期に進め、Knee領域の一次陽子スペクトルの絶対頻度を確立する。TibetII/HDアレーで取得した空気シャワー・データを用いて、一次宇宙線の直接観測領域とオーバーラップする50TeVから300TeVまでの一次宇宙線スペクトルの解析を行っており、シュミレーションによって種々のパラメータを解析し、このエネルギー領域の一次宇宙線スペクトルを求める手法をほぼ確立した。
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[Publications] M.Amenomori: "Observation of multi-TeV gamma rays from the Crab Nebura using the Tibet Air Shower Array"Astrophysical Journal Letter. 525. 293-296 (1999)
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[Publications] M.Amenomori: "Detection of multi-TeV gamma rays from Markarian 501 during an unforeseen flaring state in 1997 with the Tibet Air Shower Array"Astrophysical Journal. 532. (2000)
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[Publications] M.Amenomori: "Primary proton flux around the "Knee" region deduced from the observation of Air Showers accompanied by gamma families"Proc.26th Int.Cosmic Ray Caif.. 3. 211-214 (1999)