2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11203203
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
山本 嘉昭 甲南大学, 理学部, 教授 (70068112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西沢 正己 国立情報学研究所, 実証研究センター, 助教授 (00281585)
梶野 文義 甲南大学, 理学部, 教授 (50204392)
坂田 通徳 甲南大学, 理学部, 教授 (60068111)
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Keywords | TeV領域宇宙線 / 太陽活動極大期 / 太陽の影のずれ / 太陽双極子磁場 / 太陽風 / 惑星間磁場 / 地磁気効果 |
Research Abstract |
11年周期の太陽活動が、西暦2001〜02年に最盛期に達する(サイクル23)ことが予想されており、太陽双極子磁場の極性がこの期間に逆転する。これに伴って10TeV領域の銀河宇宙線が太陽によって遮られて生じる"太陽の影"の位置が見かけの太陽の中心に対して時間的に変動することが期待される。1990年から93年の前回の活動期(サイクル22)には、"太陽の影"は年毎に激しく揺れ動くのがチベットの小空気シャワーアレイで観測された。 今回は、この影の変動を1ケ月単位で観測して太陽周辺磁場の時間変動を明らかにするため、われわれチベット実験グループは1999年にこれまで15m間隔に並べていた検出器アレイをほぼ全面7.5m間隔の濃密アレイにして1999年12月から観測を続けている。1996〜97年頃は太陽活動極小期で太陽双極子磁場は地磁気と逆方向で、"太陽の影"は丁度見かけの太陽の方向にあったことがチベット実験で確認された。これらは、COSPARやICRCなどの国際会議で報告し、シミュレーションでも再現できている。最近ApJにも掲載された。 2000年中に得られたデータを用いて"月の影"の解析を行なったが、観測地点(チベット)から月までの距離に依存して見かけのサイズが変動し、それに合わせで"影の深さ"が変動するのが観測され、アレイの感度及び角度分解能の向上が実証された。 2000年の太陽の影は20TeV以上では予想位置にあるが、15TeV以下では影がかき消えている。太陽磁場の変動によるものかどうか解析途中でり、まだ結論に達していない。 2000年中はチベットの視野内ではなかったが大きなフレアも生じた。2001年以降はもっとフレア頻度は活発化すると思われるが、磁極の逆転が何時起きるか見守り続ける。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 雨森道紘,山本嘉昭,梶野,坂田,西沢 他: "SUN'S SHADOW BY 10 TeV COSMIC RAYS UNDER THE INFLUENCE OF SOLAR ACTIVITY"Advances in Space Research. 23・3. 611-615 (1999)
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[Publications] 菅雄一,山本嘉昭,梶野,坂田,西沢 他: "Simulation of the Sun Shadow by Cosmic-Ray Particles Traveling through the Solar, Interplanetary and Geomagnetic Fields"Proceedings of 26th Intern.Cosmic Ray Conf.. Vol.7. 202-205 (1999)
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[Publications] 雨森道紘,山本嘉昭,梶野,坂田,西沢 他: "Observation of Sun's Shadow by High Energy Cosmic Rays in a Quiet Phase of Solar Activity"Proceedings of 26th Intern.Cosmic Ray Conf.. Vol.7. 206-209 (1999)
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[Publications] 雨森道紘,山本嘉昭,梶野,坂田,西沢 他: "A study of shadowing of galactic cosmic rays by the Sun in a quiet phase of solar activity with the Tibet air shower array"Astrophysical Journal. 541・2. 1051-1058 (2000)