2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11204205
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
安田 尚登 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 教授 (90175646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沼 毅 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (70263738)
池原 実 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 助手 (90335919)
近藤 康生 高知大学, 理学部, 教授 (90192583)
西 弘嗣 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 助教授 (20192685)
鈴木 聡 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90196816)
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Keywords | 微生物 / 有孔虫 / 生物進化 / 地球環境 / 海洋環境 / 地下圏 / 環境変動 / ODP |
Research Abstract |
本研究課題では、海底下地中生物界の有する生化学的機能を明らかにする目的で、コア中から微生物の機能遺伝子探索を行っている。本年度は特に地下圏の微生物分離を中心課題として研究を展開してきた。航海・海域ごとに成果をまとめる。 1.ODP Leg 193におけるマヌス海盆熱水噴出域の掘削においては、全体として生菌数/全菌数は0.5〜5.6%であった。高温(60℃、90℃)嫌気培養では、現場温度と培養温度が近い場合に増殖が認められ、高温培養で増えた菌の16S rRNA遺伝子に基づく系統樹が作成された。 2.「しんかい2000/なつしま」NT01-07航海(2001年)において富山湾および後志海山における黄変色域の調査で採取した資料・試料について、黄変色域堆積物の微生物遺伝子解析およびリン脂質脂肪酸解析を行った。 3.「ドルフィン3K」第221潜航(1995年)で採取した相模海丘冷湧水帯の表層堆積物について、異化型硫酸還元酵素遺伝子の多様性を解析した。 4.九十九湾(富山湾に面した能登半島の小湾)の浅海底(水深約30m)から採取した有鬚動物マシコヒゲムシの細胞内共生菌について、その系統と化学合成に関する遺伝子解析を行った。 5.相模湾・初島沖の冷湧水帯から採取したチューブワーム(ハオリムシ)の細胞内共生菌について、その系統に関する遺伝子解析を行った。 6.十勝沖コアでは、微生物群集構造を知るために,16S rRNA遺伝子(16S rDNA)を標的としたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)-変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)を用い,真正細菌と古細菌の群集構造解析を行った。これまでの結果をまとめると,多種の真正細菌,古細菌が棲息し,種の多様性は深度が増すと減少した。さまざまな海域やコアの結果と比較することで,海底地圏の微生物生態解明への糸口が若干見えてきた。
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[Publications] Kimura H., Asada R., Masta A., Naganuma T.: "Distribution of microorganisms in the subsurface of the Manus Basin hydrothermal vent field, Papua New Guinea."Applied and Environmental Microbiology. 69. 644-648 (2003)
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[Publications] Fukuba T., Ogawa M., Fujii T., Naganuma T.: "Phylogenetic diversity of dissimilatory sulfite reductase genes from deep-sea cold seep sediment"Marine Biotechnology. 5. 458-468 (2003)
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[Publications] Kimata, N., Nishino, T., Suzuki, S., Kogure, K.: "Pseudomonas aeruginosa isolated from marine environments in Tokyo Bay"Microbial Ecol.. (in press). (2003)
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[Publications] Kimura H., Sato M., Sasayama Y., Naganuma T.: "Molecular characterization and in situ localization of endosymbiotic 16S rRNA and RuBisCO genes in the pogonophoran tissue"Marine Biotechnology. 5. 261-269 (2003)
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[Publications] Ogawa M., Tanimoto D., Okamoto T., Saito Y., Zhang J., Naganuma T.: "Ester-linked phospholipid fatty acids in marine sediments : testing the possibility of methane seepage in Japan Sea"Aquatic Ecosystem Health & Management. 6. 397-408 (2003)
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[Publications] 近藤康生: "二枚貝類の進化史からみた深海の熱水噴出口および冷湧水域の化学合成群集成立の背景"月刊海洋. 35. 360-363 (2003)