2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11205201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平 啓介 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50013579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乙部 弘隆 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10169328)
柳本 大吾 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40260517)
道田 豊 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (20323628)
小賀 百樹 琉球大学, 理学部, 助教授 (50153515)
力石 國男 弘前大学, 理工学部, 教授 (70038561)
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Keywords | 世界海洋観測システム(GOOS) / 縁辺海の海況予報 / ポップアップフロート観測 / 北東アジア地域計画(NEAR-GOOS) / 音波海流プロファイラー(ADCP) / 日本海の中層流 / 海底ケーブル利用海流観測 / XBT水温観測 |
Research Abstract |
1992年の地球サミットで世界海洋観測システム(GOOS)の構築が提案され、ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)が推進している。GOOSは気候、海の健康、生物資源、沿岸域を観測し、海洋業務として予報を確立することを目指している。IOC西太平洋地域小委員会は日本海、東シナ海、黄海の縁辺海の北東アジア地域計画(NEAR-GOOS)を1997年に発足させた。この海域では、日本、中国、韓国、ロシアが観測を実施しているが、従来のデータ交換は18月以内を目標とし海洋予報には適さないので、共用のデータベースに準リアルタイムで通報する仕組みである。私たちは、特定領域研究(B)「縁辺海の海況予報のための海洋環境モニタリングの研究」(平成11〜14年度)を実施しており、日本海、東シナ海、黄海の北東アジア縁辺海における水温、塩分、海水流動、水位変動、化学物質、プランクトン量などの現況を把握し、予報することを目的とする。 本研究では海底ケーブルを利用して海域の海流をモニタリングすること、ポップアップフロートで日本海の海流、温度場を自動計測して予報モデルに入力することを目的としている。対馬海峡の黒潮流入量は釜山の地電位差計測がフェリーボートの音波海流プロファイラで較正された。今年度は白鳳丸航海(KH-00-4)で9月19日〜9月23日に沖縄-台湾の航走観測でADCP流速観測とXBT水温観測を実施し,地電位差データの較正について解析している。本航海で海底ケーブルに沿って3点に流速計を係留し,2001年6月に回収の予定である。1995年に日本海に投入したALACEフロートは電池寿命が尽きたが、これまでに日本海の250メートル層の海流、浮上時の表層流が観測された。250メートル層では日本海盆の時計まわりの、北海道南方の反時計まわりの循環が始めて明らかにされた。その後投入したPALACEフロートも4台中の3台が津軽海峡を流出した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 平啓介: "東京大学海洋研究所の将来展望-海洋研究教育の国際中枢を目指して"月刊海洋. 32. 30-34 (2000)
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[Publications] 平啓介: "「北朝鮮寒流」・「東朝鮮暖流」の名称提案"海の研究. 9,.5. 273-274 (2000)
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[Publications] Fujio,S.: "Deep current structure above the Izu-Ogasawara Trench"Journal of Geophysical Research. 105,C3. 6377-6386 (2000)
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[Publications] N.Iwasaka,: "Observational study on the downward solar radiation at the sea surface in the Westrn Pacific"Journal of Oceanography. 56. 717-726 (2000)
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[Publications] 安保綾子: "大槌湾の水温変動特性"月間海洋. 32,12. 824-830 (2000)
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[Publications] 力石國男: "海流が誘起する地電位差と流量の関係の場所的な違い"弘前大学理工学部寒地気象実験室報. 13(印刷中). (2001)
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[Publications] Yang Y.: "Sea surface slope as the estinmator of the Kuroshio volume transport East of Taiwan"Geophys.Res.Letters. (in press). (2001)
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[Publications] Hashimoto,Y.: "Monitoring the ocean currertt in the Tsushima and the Tokara Straits by using submarine cables"OHP/ION Symposium "Long-Term Observations in the Oceans". 232-235 (2001)
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[Publications] 橋本良夫: "対馬海峡およびトカラ海峡における電位差計測"「日本海沿岸域における海況モニタリングと波浪計測に関する研究集会」報告書 九州大学応用力学研究所. (印刷中). (2001)