2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11205202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川辺 正樹 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (40143549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 徹 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20158174)
前田 明夫 川内職業能力開発短期大学校, 校長(研究職) (90013573)
藤尾 伸三 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (00242173)
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Keywords | 黒潮モニタリング / 潮位データ / トカラ海峡フェリー / 流路変動 / 流速・流量 |
Research Abstract |
1.インターネット上のホームページに,主として潮位データに基づく黒潮の流路・流速・流量の情報を引き続き公開し,新たなデータを付け加えた。 2.九州南東に発生する黒潮小蛇行と黒潮流域の沿岸を西向きに伝播する約5〜10日周期の潮位擾乱の関係を,数値実験で調べた。低潮位の擾乱を日本東岸に与えると,擾乱は内部ケルビン波によって西向きに伝播し,九州南方の沿岸にたまって低気圧性の渦を作り,黒潮小蛇行を形成する。擾乱はある程度成長すると,黒潮に流されて東向きに移動しながら減衰する。高潮位の擾乱を与えても,九州南での擾乱の発達は起きない。 3.フェリーデータに含まれる潮流を見積もるため,白鳳丸KH-01-1次研究航海で回収した係留ADCPの流速データを解析した。75kHzの音波を使う最新型のADCPにより,水深576mの所でほぼ海面から海底までの流速データを得ることができた。そのデータを使い,最も卓越するM2分潮について,黒潮の位置によって変わる成層の効果を調べた。 4.順圧モードが最も卓越し,次いで傾圧第3モードが順圧モードの0.3倍程度の振幅で大きいという卓越モード間の振幅比は、成層が変わってもほとんど変わらない。そのため,順圧モードの大きさをフェリーの流速データから評価できれば,潮位データによるKuroshio Position Indexで推定した黒潮流軸の位置から任意の時点での成層構造を推測することで,潮流を見積もることができる。こうして、ADCPの測流データから潮汐成分を除去できる可能性がみえてきた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山城徹, 川辺正樹, 桜井仁人: "トカラ海峡亜表層における黒潮流軸・流速の変動特性"海と空. 77(4). 153-161 (2002)
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[Publications] Kawabe, M., S.Fujio, D.Yanagimoto: "Deep-water circulation at low latitudes in the western North Pacific"Deep-Sea Research I. 50(in press). (2003)
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[Publications] 永野憲, 川辺正樹: "黒潮の輸送量と流路変動"月刊海洋. 号外31号. 14-21 (2002)
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[Publications] Oka, E., M.Kawabe: "Dynamic structure of the Kuroshio south of Kyushu in relation to the Kuroshio path variations"Journal of Oceanography. 59(in press). (2003)
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[Publications] 川辺正樹: "海洋観測システム-OOPCの議論を中心に"月刊海洋. 34(9). 637-646 (2002)
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[Publications] 川辺正樹, 花輪公雄: "我が国の定線海洋観測"月刊海洋. 34(10). 673-679 (2002)