1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11205203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
市川 洋 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (60128410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 広人 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (80238873)
市川 敏弘 鹿児島大学, 理学部, 教授 (30109110)
松野 健 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10209588)
中村 啓彦 鹿児島大学, 水産学部, 講師 (50284914)
櫻井 仁人 鹿児島大学, 工学部, 講師 (10094145)
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Keywords | 東シナ海 / 大陸棚 / 黒潮 / 潮汐流 / 水温 / 塩分 / 栄養塩 / プランクトン |
Research Abstract |
平成11年5月24日から28日まで,長崎大学水産学部練習船「鶴洋丸」を用いて、東シナ海陸棚縁辺部付近における等深線を横切る測線上において,特に陸棚端付近に集中したCTDによる水温、塩分の断面観測を繰り返し行った。観測の前半と後半では底層付近の水温構造に大きな変化が見られた。また、陸棚側の低塩分水の分布にも数日間の間に大きな変化が見られた。平成11年6月14日から25日まで、鹿児島大学水産学部練習船「敬天丸」を用いて、東シナ海大陸棚および黒潮流域の5本の観測線上においてCTD/LADCP観測,RMS採水,海上気象観測,航走ADCP観測を行なった。断面観測で得られた海洋観測試料の解析によって,九州西方海域の塩分前線付近の海洋構造を捉えた.また,水温・塩分のみならず栄養塩・有機懸濁物濃度およびピコプランクトンの群集構造を用いることによって黒潮域と沿岸域の詳細な水塊区別が可能であることを確認した。なお、この間の3日間には大陸棚上の黒潮北縁,水深100m付近の1辺8マイルの正三角形上で1周3時間の周回観測を18周行った.周回観測では,内部潮汐の存在,3日間の間の前線の移動に伴う水温・塩分の立体的分布構造の時間変動を捉えた.平成11年10月5日から11日には,長崎大学水産学部練習船「長崎丸」を用いて、5月の鶴洋丸航海と同様のCTDによる繰り返し観測を、5月より若干北の海域で行い,黒潮の前線渦など、黒潮と陸棚水との相互作用による、表層の低塩分水の分布の変動の実態を把握した。平成11月18日から29日までの敬天丸航海では,奄美大島西北西方大陸棚斜面で係留流速計の回収・再設置と,那覇北西方黒潮横断観測線上,奄美大島西北西方大陸棚と徳之島南端間を結ぶ黒潮横断観測線上およびトカラ海峡横断観測線上でCTD/XBT/採水観測,海上気象観測,航走ADCP観測を行ない,北西季節風の吹き出しの影響下の海洋構造を捉えた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 市川洋(C.James)他1名: "Kuroshio Meanders in the East China Sea"Journal of Physical Oceanography. 29. 259-272 (1999)
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[Publications] 中村啓彦 他3名: "Water mass discrimination in the East China Sea using physical properties in June 1998"Proceedings of the CREAMS'99 International Symposium. 1. 52-55 (1999)
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[Publications] 市川敏弘 他3名: "Water mass discrimination in the East Chine Sea using nutrients in June 1998"Proceedings of the CREAMS'99 International Symposium. 1. 56-59 (1999)
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[Publications] 前田広人 他6名: "Water mass discrimination in the East China Sea using picoplankton in June 1998"Proceedings of the CREAMS'99 International Symposium. 1. 60-63 (1999)
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[Publications] 松野健 他1名: "Subduction of low salinity water into the intermediate layer of the Kuroshio in the East Chine Sea"Proceedings of the CREAMS'99 International Symposium. 1. 64-67 (1999)
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[Publications] 松野健: "東シナ海の海洋物理環境"月刊海洋. 31巻10号. 610-616 (1999)