2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11205203
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
市川 洋 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (60128410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 広人 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (80238873)
市川 敏弘 鹿児島大学, 理学部, 教授 (30109110)
松野 健 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10209588)
中村 啓彦 鹿児島大学, 水産学部, 講師 (50284914)
櫻井 仁人 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (10094145)
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Keywords | 東シナ海 / 大陸棚 / 黒潮 / プランクトン / 水温 / 塩分 / 潮汐流 / 栄養塩 |
Research Abstract |
本研究は,1ヶ月間程度の期間中に得られた東シナ海現場観測資料に含まれている潮汐流,海面風応力,海洋前線位置の変動と生物化学過程に起因する短期・局所変動成分を観測資料から評価するとともに,水温と塩分の他に諸化学成分・生物量をトレーサーとして用いた水塊の分類・追跡によって海水流動構造と拡散・混合過程の実態を把握することを通して,短期および長期数値予測モデルの予測精度の向上に資することを目的としている. この目的の達成を目指して,平成13年度には,5月に長崎大学水産学部附属練習船「鶴洋丸」によって、10月に長崎大学水産学部附属練習船「長崎丸」によって、東シナ海陸棚縁辺部における黒潮前線渦の変動とそれに伴う陸棚水の貫入構造の変化を捉える観測を行った。これらの観測によって、黒潮前線付近の海洋構造の短期的変動を捉えるのに成功した。6月には、鹿児島大学水産学部練習船「敬天丸」を用いて、トカラ海峡横断XBT観測と、中国の排他的経済水域内を含む東シナ海の黒潮流域および大陸棚域において、CTD/LADCP/航走ADCP観測を行うとともに、栄養塩、有機懸濁物、クロロフィルの分布を調べた。この観測により,水深が40mから60mの東シナ海陸棚上の20m以深に分布している黒潮を起源としたほぼ一様な海水を捉えるのに成功した。11月の敬天丸航海では,トカラ海峡横断CTD/LADCP観測と奄美大島西北西方大陸棚斜面で係留流速計の回収を行なった. また,平成11年度および12年度の観測資料の解析を進め、潮汐周期、数日間、1週間の各々の時間規模の海況変動を定量的に評価した。さらに,黒潮横断観測線上における水温、塩分、各種栄養塩、有機懸濁物、クロロフィル、ピコプランクトンの鉛直断面分布を比較検討し、より詳細な水塊分類の手法の可能性を確認した.
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Han, I-S., K.Kamio, T.Matsuno, A.Manda, A.Isobe: "High frequency current fluctuations and cross shelf flows around the pycnocline near the shelf break in the East China Sea"J. Oceanography. 57巻,2号. 235-249 (2001)
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[Publications] Matsuno, T., I.S.Han, M.Shimizu, A.V.Levinson, A.Isobe et al.: "Short time scale variability of the Kuroshio front in the East China Sea, 59-62"Proceedings, Extended Abstract Volume, The 11th PAMS/JECSS,11-13 April 2001,Seogwipo KAL Hotel, Cheju, Korea. 59-62 (2001)
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[Publications] Ichikawa, H., H.Sakajiri, H.Nakamura, A.Nishina: "Year-to-year variation of sea surface salinity in the East China Sea"Proceedings, Extended Abstract Volume, The 11th PAMS/JECSS,11-13 April 2001,Seogwipo KAL Hotel, Cheju, Korea. 73-76 (2001)
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[Publications] Ichikawa, T., H.Ichikawa, H.Maeda, H.Nakamura, A.Nishina: "Particulate organic carbon in the East China Sea"Proceedings, Extended Abstract Volume, The 11th PAMS/JECSS,11-13 April 2001,Seogwipo KAL Hotel, Cheju, Korea. 77-78 (2001)
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[Publications] Ichikawa, H., R.C.Beardsley: "Current system in the Yellow and East China Seas"J. Oceanography. 58巻,1号. 77-92 (2002)
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[Publications] 前田広人, 奥西将之, 吉村直晃: "ピコプランクトンの知見"日本プランクトン学会報. 48巻,2号. 126-126 (2001)
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[Publications] 松野 健, 柳尾 茂文, 清水学, 秋重祐章, 吉村 浩, 高木保昌: "東シナ海陸棚縁辺部の黒潮に貫入する低塩分水層"九州大学大学院総合理工学研究科報告. 23巻,3号. 311-317 (2001)
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[Publications] 万田敦昌, 磯辺篤彦, 松野 健, 柳 哲雄, 韓 仁盛, 神尾光一郎: "東シナ海における黒潮前線周辺の水塊分布および流動構造の時空間変動"沿岸海洋研究. 39巻,1号. 57-67 (2001)
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[Publications] 市川洋, 松野健, 中村啓彦, 仁科文子, 前田広人, 市川敏弘: "東シナ海の海況モニタリングの研究"月刊海洋. 33巻,1号. 23-32 (2002)